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天気API・気象データ利用の確認ポイント 改正気象業務法と新たな防災気象情報を踏まえて

2026.06.10

2026年5月29日から、気象業務法および水防法の一部改正に伴い、新たな防災気象情報の運用が始まりました。
河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する情報は、警戒レベルとの対応が分かりやすい名称へ見直され、企業の防災対応、拠点管理、物流判断、屋外作業の安全管理にも関係します。

また、同日施行の改正気象業務法では、外国法人等による予報業務に関する規制も明確化されました。
日本国内の利用者に向けて日本の天気などの予報業務を行う場合に必要な手続きや、事業者の所在が国内か国外かにかかわらず、気象業務法に基づく許可を取得せずに予報を行う者等に対する措置が具体化・強化されました。
そのため、天気APIや予報データを業務システムやWebサービスなどに利用する企業は、提供元のコンプライアンス体制・提供体制・利用条件等を確認することが重要です。

本記事では、2026年5月29日から始まった新たな防災気象情報と、改正気象業務法による外国法人等の予報業務の手続きや違反者への措置の明確化・強化を踏まえ、企業が天気API・気象データを選ぶ際に確認すべき観点を整理します。

目次

2026年5月29日からの変更点

2026年5月29日からの主な変更点は、大きく2つに整理できます。

区分 内容 企業への関係
新たな防災気象情報の運用開始
  • 河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する情報が、警戒レベルとの対応が分かりやすい名称へ見直された。
  • 従来の気象情報が、役割別に「気象防災速報」と「気象解説情報」へ整理された。
防災対応、拠点管理、物流、屋外作業、社内アラート等の見直し
外国法人等による予報業務の手続きや違反者への措置の明確化・強化
  • 日本国内向けに予報を提供する海外法人等への手続きや違反者に対する措置が明確化・強化された。
天気API・予報データの提供元のコンプライアンス体制、提供体制、商用利用条件等の確認

今回の変更は、単に情報名称が変わるだけではありません。
防災気象情報を利用する企業にとっては、社内でどの情報を確認し、どの段階で対応を判断するかを見直す契機になります。

また、天気APIや予報データを利用する企業にとっては、データ提供元が適切な許可・体制のもとで情報を提供しているかを確認する重要性が高まります。

新たな防災気象情報では何が変わるのか

新たな防災気象情報では、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する情報について、5段階の警戒レベルとの対応が分かりやすく整理されました。これにより、自治体が発令する避難情報と、住民の避難行動や企業の防災対応との関係を確認しやすくなります。

【tenki.jp】新たな防災気象情報
新たな防災気象情報の一覧

企業が特に確認すべきなのは、以下のような点です。

項目 確認すべきこと
社内マニュアル 避難・操業停止などの判断基準が新たな防災気象情報と整合しているか
業務システム アラート条件や通知文言、表示名称が新しい情報体系に対応しているか
拠点管理 拠点ごとの避難判断、操業判断などの運用ルールが整理されているか
物流判断 河川氾濫・大雨・高潮などの情報を配送判断へ活用する方法を定めているか
屋外作業 作業中止・再開の判断条件が警戒レベルと対応づけられているか
委託先・取引先連絡 外部委託先との連絡基準が新しい情報体系に対応しているか

たとえば、物流や建設、イベント運営、店舗運営、工場・倉庫管理などでは、防災気象情報をもとに、配送可否、作業中止、営業時間変更、従業員の安全確保などを判断することがあります。

新たな防災気象情報に対応するには、単に名称を置き換えるだけでなく、社内の確認フローやアラート条件を見直すことが大切です。

*新たな防災気象情報の詳細:【tenki.jp】新しい防災気象情報が5月28日スタート 何が変わる?気象予報士が解説
(新たな防災気象情報への切り替えは5月28日午後からですが、気象業務法および水防法の一部改正の法律上の正式な運用開始は5月29日からとなりました)

「気象防災速報」と「気象解説情報」の整理も確認が必要

警戒レベルに直接結びつく警報などとは別に、従来さまざまな名称で発表されていた「気象情報」も整理されました。
これまでの情報は、「気象防災速報」と「気象解説情報」の大きく2つに分類され、各情報の役割がわかりやすくなりました。

【tenki.jp】気象防災速報と気象解説情報
気象防災速報と気象解説情報の一覧
  • 気象防災速報

    極端な現象がすでに発生、または発生しつつある場合に速報的に伝える情報です。
    これまでの「記録的短時間大雨情報」は「気象防災速報(記録的短時間大雨)」に、「顕著な大雨に関する気象情報」は「気象防災速報(線状降水帯発生)」と整理されます。
    また、線状降水帯発生に関する直前予測も、新たに「気象防災速報」に追加されます。

  • 気象解説情報

    現在・今後の気象状況や災害発生の危険度の見通しを解説する情報です。
    警報などを補足したり、先駆けて注意喚起を行ったりする役割があります。

企業の防災・BCP対応では、速報的な情報を「即時対応のトリガー」として、解説情報を「事前準備や計画変更の判断材料」として分けて活用することが重要です。

また、防災気象情報は、発表された情報を確認するだけでなく、社内で誰が確認し、誰に共有し、どの基準で対応を判断するかまで決めておくことも大切になるでしょう。

外国法人等による予報業務に関する規制の明確化・強化

2026年5月29日施行の改正気象業務法では、日本国内向けに予報を提供する事業者に関する制度が見直され、外国法人等による予報業務の手続きや違反者への措置が明確化・強化されました。

外国法人等による予報業務に関する規制の明確化・強化の詳細

気象庁は、気象庁以外の事業者が気象や波浪などの予報業務を行おうとする場合、気象業務法第17条に基づき、気象庁長官の許可を受けなければならないとしています。
また、日本国内の利用者に向けて日本の天気などの予報業務を行う場合、事業者の所在が国内か国外かにかかわらず許可が必要であるとしています。

そして、今回の法改正によって外国法人等による予報業務に関する規制が強化され、外国法人等が予報業務許可を受ける際の国内代表者等の指定義務化や無許可事業者の氏名公表といった具体的な規定が導入されました。

企業が天気APIや予報データを利用する場合、自社が直接予報業務を行っていなくても、業務システムやWebサービスを通じて、利用者に予報情報を表示・提供するケースがあります。このような場合、利用するデータの提供元が日本国内向けの予報提供に必要な許可や体制を備えているかを確認することが重要です。
また、予報データ提供元を選ぶ際には、予報提供に必要な許可・体制の有無だけでなく、防災気象情報への対応、商用利用や二次利用の条件、データ品質、サポート体制なども確認しておくと良いでしょう。

例として、次のような観点が確認のポイントになります。

利用場面 確認すべきこと
Webサイト・アプリで天気予報を表示している 予報の提供主体および提供元事業者が、日本国内向け予報提供に必要な許可・体制を備えているか
業務システムに天気APIを組み込んでいる 商用利用、二次利用、システム連携の条件が明確か
防災対応に予報データを使っている 気象庁の警報・注意報等の公式情報との関係や運用ルールが適切か
AI・需要予測モデルに予報データを使っている データの継続性、品質、仕様変更時の対応が明確か
天気APIを利用している 日本国内向け提供の可否(予報業務許可を受けているか)、サポート体制、契約条件が確認できるか

海外事業者などの天気APIの利用の全てが問題となるわけではありません。
重要なのは、自社の利用目的に対して、提供元の信頼性や利用条件、データ品質、サポート体制などを確認した上で、適切なサービスを選ぶことです。

*関連リンク:【日本気象協会】5月29日に施行された改正気象業務法による無許可の外国法人等の予報業務に関する規制の強化についての共同見解

企業が天気API・気象データを選ぶ際のチェックポイント

1.提供元は適切な許可・体制のもとで予報データを提供しているか

日本国内の利用者に向けて日本の天気などの予報業務を行う場合、事業者の所在が国内か国外かにかかわらず、気象業務法に基づく許可が必要とされています。
外部の予報データを業務に利用する場合、企業がまず確認したいのは、提供元が日本国内向けの予報提供に必要な許可(予報業務許可)・体制のもとで情報を提供しているかです。
加えて、Webサービスやアプリで利用者に天気予報を表示する場合や、防災対応や需要予測などの業務判断に予報データを使う場合は、品質や提供条件を確認できる事業者のデータを選ぶことが重要です。

2.商用利用・二次利用・表示条件が明確か

天気APIや気象データは、利用方法によって必要な契約条件が異なります。
社内利用、Webサイト・アプリへの表示、顧客向けサービスへの組み込み、取引先への再提供、AIモデルへの入力などでは、それぞれ確認すべき条件が異なります。

観点 確認すべきこと
商用利用 自社サービスや業務で利用できるか
二次利用 加工、分析、再配信が可能か
表示条件 出典表記や表示形式に指定があるか
利用範囲 社内利用、顧客向け表示、外部提供の可否
契約条件 サポート、仕様変更時の通知

3.新たな防災気象情報に対応しているか

2026年5月29日から、防災気象情報の名称や体系が見直されました。
防災対応や拠点管理に気象情報を利用している企業は、利用しているデータやシステムが新しい防災気象情報に対応しているか確認する必要があります。

4.業務判断に必要な解像度・更新頻度・安定性があるか

気象データは、利用目的によって必要とされる情報レベルが異なります。
全国的な傾向を確認する場合と、店舗、倉庫、工場、配送ルート、発電所など特定地点のリスクを判断する場合では、必要な空間解像度や更新頻度が異なります。

観点 確認すべきこと
空間解像度 市区町村単位、メッシュ単位、地点単位など
時間解像度 1時間ごと、3時間ごと、日別など
更新頻度 何時間ごとに更新されるか
データ項目 気温、降水量、降雪量、風、湿度、暑さ指数など
安定供給 欠損、遅延、障害時の対応
仕様管理 API仕様変更時の通知、移行期間の有無

業務システムに組み込む場合は、データの精度だけでなく、継続的に安定して取得できることも重要です。

5.問い合わせ・運用サポート体制があるか

気象データは、導入後も用途の変更、取得地点の追加、データ項目の見直し、障害対応、仕様変更対応などが発生します。

特に、気象データを需要予測、AIモデル、防災アラート、物流判断などに活用する場合は、単にデータを取得するだけでなく、目的に応じて必要な情報の細かさや更新頻度を検討する必要があります。

そのため、APIや気象データの提供元に問い合わせ窓口や技術サポートがあるか、業務利用に応じた相談ができるかを確認することも大切です。

業務利用に適した気象データを選ぶために

気象データや天気APIは、企業の業務システムやWebサービスに組み込まれることで、さまざまな判断を支える情報になります。
一方で、業務利用においては、次のような課題が生じることがあります。

  • どの気象データを使えばよいか分からない
  • 無料APIや海外APIの商用利用条件が分かりにくい
  • 既存システムに気象データを連携したい
  • 拠点ごとのリスク判定に使える細かなデータが必要
  • 需要予測やAIモデルに気象データを組み込みたい
  • 防災情報やアラート配信と整合した形で利用したい
  • 2026年5月29日以降の新たな防災気象情報に対応したい

このような場合は、業務利用を前提とした気象データサービスを選ぶことが重要です。

日本気象協会のWeather Data APIは、企業や開発者向けに、業務システムやWebサービスへ気象データを連携するためのAPIサービスです。天気予報の表示だけでなく、拠点ごとの気象災害リスク把握、需要予測、物流判断、防災対応、AIモデルへの外部データ入力など、業務利用を前提とした気象データ連携に活用できます。

日本気象協会は、気象庁長官の予報業務許可を受けた事業者として、長年にわたり法人向けに気象情報を提供してきました。

*参考:【気象庁】予報業務許可事業者の一覧

Weather Data APIでは、企業の業務システムやWebサービスでの利用を前提に、必要なデータ項目、更新頻度、利用条件、表示方法、既存システムとの連携方法を確認しながら導入を検討できます。
APIの利用条件や、取得できる気象要素、仕様詳細を確認したい方は、Weather Data APIのサービスページをご覧ください。

また、API以外の形式で気象データを利用したい場合は気象データ配信の各種配信データも選択肢となります。アプリやサイネージ用のデータ、各種気象要素の実況値・予測値、長期の台風の傾向や梅雨入り・梅雨明けの予想など、用途に応じてデータの項目・形式・提供方法を相談できます。詳しくは気象データ配信のサービスページをご覧ください。

まとめ:気象データは「取得できるか」だけでなく「安心して使えるか」が重要

2026年5月29日から、新たな防災気象情報の運用が始まり、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する情報は、警戒レベルとの対応が分かりやすい名称へ見直されました。企業が防災対応、拠点管理、物流判断、屋外作業の安全管理などに気象情報を利用している場合は、社内マニュアル、システム表示、通知文言、アラート条件を確認することが重要です。

また、同日施行の改正気象業務法では、外国法人等による予報業務の手続きや違反者への措置も明確化・強化されました。企業が天気APIや気象データを業務利用する際は、提供元の予報業務許可、商用利用条件、防災情報との整合性などを確認することが大切になります。

気象データは、企業の意思決定を支える重要な情報基盤です。
価格や取得しやすさだけでなく、コンプライアンス体制・提供体制、データ品質、防災情報との整合性、商用利用条件、サポート体制などを確認し、業務利用に適した提供元のデータを選ぶことが重要です。

FAQ|よくある質問

Q.2026年5月29日から何が変わりましたか?

A.2026年5月29日から、新たな防災気象情報の運用が始まりました。河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する情報は、5段階の警戒レベルとの対応が分かりやすい名称へ見直されました。また、改正気象業務法により、外国法人等による予報業務の手続きや違反者への措置も明確化・強化されました。

Q.企業の防災対応では何を確認すべきですか?

A.社内マニュアル、システム表示、アラート条件、通知文言、委託先との連絡基準などが、新たな防災気象情報の名称や警戒レベルに対応しているか確認することが重要です。

Q.天気APIや予報データの提供元は、なぜ確認が必要ですか?

A.日本国内の利用者に向けて日本の天気などの予報業務を行う場合、事業者の所在が国内か国外かにかかわらず、気象業務法に基づく許可(予報業務許可)が必要です。企業が天気APIや予報データを、業務システム、Webサービス、アプリ、防災対応などに利用する場合は、提供元の許可・体制、商用利用条件、データ品質、防災情報との整合性、サポート体制などを確認することが重要です。

Q.海外の天気APIや無料APIを使ってはいけないのですか?

A.各APIの利用そのものが一律に問題となるわけではありません。ただし、日本国内向けに予報データを表示・提供する場合や、業務判断に利用する場合は、提供元の許可・体制、商用利用条件、二次利用条件、防災情報との整合性などを確認する必要があります。

Q.気象データを商用利用する場合、何を確認すべきですか?

A.商用利用の可否、二次利用の可否、Webサイトやアプリへの表示条件、出典表記、API仕様、データの更新頻度、障害時対応、契約条件などを確認することが重要です。

Q.Weather Data APIはどのような用途で使えますか?

A.日本気象協会のWeather Data APIは、企業や開発者向けに気象データをAPIで提供するサービスです。Webサービスへの天気表示、業務システム連携、需要予測、物流管理、防災対応、AIモデルへの外部データ入力などに活用できます。