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東京ガスネットワーク株式会社様
東京ガスネットワーク株式会社様
東京ガスネットワークは、東京ガス株式会社から都市ガスをお届けする「ガス導管事業等」を引継ぎ、2022年4月に事業を開始しました。
「従来の東京ガスを継承する存在」として、都市ガスの安定供給・保安を確保、普及拡大していきます。
※部署名・役職・内容は取材当時(2026年6月)のものです。
お話をうかがった人
防災・供給部 供給指令室
山﨑 敦さん
防災・供給部 防災グループ
髙橋 夏菜さん
首都圏の都市ガス供給を担う東京ガスネットワーク
安心・安全なガス供給網の維持・運用における気象情報の重要性とは?
地球を1周半(およそ6万4000㎞!)できるほどの長大なガス導管網を有し、首都圏を中心に1都6県、約1,200万件の家庭や事業所に都市ガスを供給する東京ガスネットワーク。
刻々と変化する需要を把握して的確にガスを供給するとともに、突発的な災害時にも最大限ガス供給を維持するために、24時間365日休むことなく供給体制の監視・運用を行っています。
日本気象協会では、このガス供給運用の現場に気象情報や防災情報を提供。都市ガスの安定供給を陰ながらサポートしています。
今回は、東京ガスネットワーク株式会社 防災・供給部でガスの需給管理を担当する山﨑 敦さん、防災対応を担当する髙橋 夏菜さんに、都市ガスの供給運用における気象情報の重要性や実際の運用におけるポイントなどについてお伺いしました。
ガスの安定供給のために必要な気象情報
―まずは基本的な質問になりますが、都市ガス供給網の運用管理における気象情報、防災情報の重要性について教えてください。
山﨑さん:まずガスの需給管理については、非常に気象との相関性が高いものになっています。正確な都市ガスの需要予測を行う上では、精度の高い気象情報が欠かせません。
日々刻々と変化する気温予測に加えて、長期的な気候の見通しや寒波の到来時期、また気温の急激な変化などを的確に把握することが、需要予測において重要になっています。
髙橋さん:東京ガスグループは、海外から運ばれてくるLNG(液化天然ガス)を関東近郊のLNG基地で受け入れて、そこから都市ガスを製造して埋設されている導管(ガス管)を通じてお客様のご家庭や事業所に供給しています。
ガス事業の運営において、気象は特に防災の側面で重要な要素です。非常時の意思決定には高精度な気象情報が欠かせません。
例えば、台風などによる風水害が想定された場合には、降雨量の予測などのデータをもとに、災害に備えた人員の配置など災害対応の体制を事前に構築しています。
そして、都市ガスの安全、安定供給の維持のために、浸水リスクなどを考慮しながら、不必要なガスの供給停止を最小限に抑えて地域の生活を維持するよう運用しています。
―気象情報は一般的にはスマホの天気予報アプリなどでも手に入るものですが、一般的な気象情報と比較して東京ガスネットワークで必要とされている気象情報、防災情報にはどのような特徴があるのでしょうか?
山﨑さん:一言で言うと、高精度な需要予測を行うための緻密な情報が必要になるというところです。
例えば、気温予測だけでなく長期的な天候の見通しや、気温や天気の急激な変化が予想されるタイミングなどを正確に把握することが重要になってきます。
髙橋さん:一般的な気象情報は、生活の利便性や安全のための目安として活用されていると思いますが、東京ガスグループが使用している気象情報は、ガスの製造から供給に至るまでの一連の業務を最適化するための判断基準となるような情報です。その点で違いがあるのではないかと考えています。
1日のなかで刻々と変化する需要変化に対応する
―ここからは需要予測について伺っていきますが、まずガスの需給バランスの運用、ガスの供給計画の策定はどのように行われていて、そのなかで日本気象協会の気象情報がどのように活用されているのかについて教えてください。
山﨑さん:現在、日本気象協会からは気象情報に加え、需要予測についても提供いただいております。
ガスの需要には、一般のご家庭でお使いいただくために供給している「小口需要」と、発電所などの大きな事業所に供給している「大口需要」の2種類があり、日本気象協会の需要予測は主に小口需要の予測運用で活用しています。
例えば、冬の寒い日は水温が低く、水を温めるためにお風呂やキッチンなどでガスをたくさん使うといったように、気象条件とガスの需要には非常に高い相関があります。
そのため、ガスの需要予測を行う際は、日本気象協会から提供される需要予測および気象情報と、弊社のこれまでのノウハウを組み合わせて複合的な予測を行っています。
こうした体制を強化している背景には、2017年のガス小売全面自由化以降、1時間単位で製造基地などから導管へのガス注入量を指示する「ロードカーブ方式」が採用されたことがあります。さらに、2022年の法的分離に伴い、その役割を一般ガス導管事業者である東京ガスネットワークが担うこととなりました。こうした変化を受け、需要予測の重要性はこれまで以上に高まっています。
―現在は最新の気象データに基づいた需要予測ができると思いますが、こうしたデジタルサービスがなかった頃は、どのように需給調整を行っていたのでしょうか?
山﨑さん:需給調整を行う担当者の経験やノウハウに依存する部分が多かったと思います。
需給調整は社内の供給指令センターという場所で行っており、担当者が24時間365日の交代勤務制で常にそのガスの需給を見ながら供給量の調整を行っています。
それ故に、客観的なデータがなかった頃はそれぞれの担当者がそれぞれの経験やスキルに基づいて需要予測を行っていました。そのため、ノウハウの共有や標準化が難しく属人的な対応をしていたというのが、デジタルサービスがなかった頃の課題でした。
ただ現在は、日本気象協会から最新の情報を提供いただいているので、業務の標準化や予測の高度化により、需要予測の均質化が進んでいる状況です。
日本気象協会の担当者の方とは定期的に情報交換もさせていただいており、予測精度も非常に高まっています。加えて、日々の予測精度だけでなく、コロナ禍のような社会環境の大きな変化や生活者の大きな行動変容が生まれるような状況でも日本気象協会と連携させていただいて、最新の社会状況に合わせて継続的に予測をアップデートしています。
―今後の運用においてさらに強化していきたい部分などがあれば教えてください。
需要予測自体の精度は非常に高まってきていますが、大型連休(ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始)や季節の変わり目など、生活者の行動が大きく変化する期間においては、予測の乖離が生じやすい傾向にあります。
今後は、年間を通じて高い精度を維持できるよう、日本気象協会との取り組みをさらに強化していきたいと考えています。日本気象協会の知見もお借りしながら、分析と対策に引き続きしっかりと取り組んでまいります。
災害リスクが高まった際に、余裕をもった臨時体制の準備を実現
―今度は災害対応についてもお伺いしますが、災害発生時、あるいは災害リスクが高まっているというタイミングのオペレーションにおいて、日本気象協会の気象情報が具体的にどのように役立っているか教えてください。
髙橋さん:日本気象協会から提供いただいている情報は、災害対応時におけるオペレーションの起点になるような情報です。
例えば、地震発生時には地震情報を提供いただき、台風や大雨など風水害のリスクが高まった際には、ガスを供給している各エリアの浸水予測を提供いただきます。その上で、災害発生に対する臨時体制(※風水害の被害が懸念される場合に平時組織を増員し、臨機応変な対応が取れるよう設置する体制)の構築、ガス設備の停止判断、発災後の現場作業における安全性の判断に至るまで、提供いただいた情報を幅広く活用しています。
平時でも、気象情報をその都度確認することによって、ガス供給の安定性と事故を未然に防ぐ安全性の確保を両立させることに直結していると考えています。
―最近では2026年6月の「台風6号」が関東地方に最接近して大雨をもたらしましたが、その際にはどのようなオペレーションが行われたのでしょうか?
髙橋さん:台風6号の際にも日本気象協会から提供いただいた情報を活用しました。
台風の接近予報については数日前からアラートが届いていて、その情報を慎重に確認しながら、接近予報日の24時間前に供給エリアの降雨予測を確認します。その予測に基づいて臨時体制を立ち上げるか否か、非常体制に移行するか否かを判断しています。
台風6号では、臨時体制を立ち上げる基準の降雨量を超えていたので、早めに臨時体制を決定し、事前の人員配置や防災体制の構築、浸水リスクの高い地点の確認やガス設備の停止判断などを進めていきました。本社で受信している気象情報は供給エリア内の各拠点でも同時に確認しているので、臨時体制が決定すると各拠点が一斉に気象情報を活用して災害に備える体制になっています。
弊社の臨時体制実施の判断は台風接近予報日24時間前になりますが、台風予報自体は数日前から届いているので、現場では臨時体制を前提にした心構えや事前の準備を進めることができ、臨時体制の規模感も予測しながら動くことができます。
防災対応に臨む体制に余裕が生まれている点が有り難いと感じています。
―日本気象協会の情報と連携して防災対応を進めることができるようになって、業務における効果・変化というものは、お話いただいた「余裕をもった準備」以外になにかありますか?
髙橋さん:常にプッシュで必要としている情報が届くという点が大きいと思います。
地震や台風などの情報は発災時には世の中に一斉に発信されますが、それらの情報を私たちが様々な情報ソースに探しに行き集めてくるというのは、なかなか大変な作業です。
日本気象協会との連携では、防災対応に必要な情報は随時プッシュで届けていただけるし、平時に私たちが調べたい情報は、いつでも取得しに行くことができる。
プッシュ型とプル型を両立したシステムを構築していただいているので、リスク管理における情報収集がとても省力化されていると感じています。
加えて、日本気象協会には提供情報をカスタマイズしていただいていて、東京ガスネットワークの供給エリア区分ごとに気象リスクなどの情報を提供していただいています。
具体的には供給エリア区分の地図上に気象情報などをマッピングしているのですが、そのなかに東京ガスネットワークの重要な設備も同じくマッピングしているので、災害発生時にも東京ガスネットワークのどの設備でリスクが高まっているかなどが即座に把握できる点が非常に役立っています。
近年、自然災害はどんどん激甚化している傾向があり、夏場にはゲリラ雷雨や集中豪雨による河川の増水などへの迅速な対応も課題となっていきます。
「過去に経験したことのない」と言われるような風水害のリスクも高まっているなか、今後も日々のガスの安定供給と防災対応における様々な判断において、日本気象協会には心強い後ろ盾となっていただければと思います。
都市の安全性をともに高めていくパートナーとしての連携を、今後も継続していきたいですね。
安心・安全なガス供給管理を通じて、首都圏の人命と財産を守る
―最後に、首都圏に都市ガスを供給するという責任ある立場から、ガスの安定・安全な供給の維持に向けた思いをお聞かせください。
山﨑さん:平時の安定供給を維持するのはもちろんのこと、災害発生時にはガス需要が大きく変動し、大規模な地震が発生した際などには、安全確保のために速やかな供給停止が必要となるケースもあります。
そのため、需要の変化に応じて製造量や供給量を適切に調整しながら、最大限多くのお客様が継続してガスをご使用いただけるよう、安全かつ安定的な運用を堅持することが、私たちの重要な役割であると認識しています。
髙橋さん:首都圏は、人口も財産も集積している密集地帯であり、かつ近年はその人口と財産が災害の激甚化や頻発化に晒されている地域だと思います。
ゲリラ雷雨などによる浸水被害は多発していますし、今後、南海トラフ大地震や首都直下地震、富士山の噴火などの大きな自然災害のリスクも高まっており、その影響を考慮した防災体制が求められています。
そのなかで、私たちは自治体や他のインフラ企業、そして日本気象協会をはじめとした様々なパートナー企業とともに、防災という観点で連携していかなければなりません。
日本気象協会が培ってこられた知見と私たち東京ガスグループの積み重ねてきた知見を組み合わせることで、首都圏の人命と財産を守ることに活かしていきたいと考えています。
F-LINE株式会社様
F-LINE出資メーカーをはじめとする荷主の食品・飲料商品の物流。
常温・冷凍・冷蔵などさまざまな温度帯や商品ごとの物流特性、さらに環境負荷低減にも考慮した効率的な物流ネットワークを構築しています。
株式会社若松屋様
1937(昭和12)年創業。花火大会の尺玉から身近なおもちゃ花火まで幅広く製造販売。
花火ができる場所検索アプリ「Hanabi-Navi」のリリース、花火の遊び方のマナー向上のためのワークショップを開催するなど活動の幅を広げています。
株式会社AgriweB様
「農業の価値を広げ、社会の未来を実らす、ビジネス共創型マルチサイドプラットフォーム」をコンセプトに、農業のニーズと社会のニーズをつなぐことを目的とした各種サービスをポータルサイト「AgriweB」にて提供しています。
株式会社ジェイアール東日本企画様
1988年に設立されたJR東日本グループの総合広告会社であり、同時に交通広告を有する媒体社の側面も持つ企業。駅や電車などの公共交通機関を活用できる強みを生かし、既成概念にとらわれないクロスメディア提案やコンテンツ企画を次々と実現しています。企業ミッションは「好奇心あふれる日常を」。心躍る出会いや体験を通して、想像以上の日常を創り出すことを目指しています。
株式会社臼福本店様
明治15年に魚問屋として創業した、約130年の歴史を持つ漁業会社。三代目から本格的に漁業に参画、四代目から遠洋まぐろ延縄漁船一本に切り替え、現在で五代目。震災を契機に、より多くの業界の方々とのつながり手を携えることが、被災地の復興だけでなく漁業の復興、日本全体の復興につながると考え、そのカギが、気仙沼そして東北の第一次産業の復興にあると、社員一同信じています。
川崎近海汽船株式會社様
1966年に内航海運企業として創業後、近海、フェリー事業、近年ではオフショア支援船部門へと業容を広げ、「海上輸送のベストパートナーとしてお客様のニーズに応え、人に優しい豊かな社会実現に向け貢献」を理念に海陸役職員一丸となり、海上輸送と社会資本インフラを支えています。
川近シップマネージメント株式会社様
川崎近海汽船(株)の100%出資会社。同社グループが保有する内航貨物船の保船管理及び配乗が主たる業務。1万トン級のRO/RO船他、石炭専用船などの船舶管理に携わり、他社に先駆けて安全管理システム(ISMコード)を導入し、安全かつ運航性能効率化を目指しています。
東京ガスネットワーク株式会社様
東京ガスネットワークは、東京ガス株式会社から都市ガスをお届けする「ガス導管事業等」を引継ぎ、2022年4月に事業を開始しました。
「従来の東京ガスを継承する存在」として、都市ガスの安定供給・保安を確保、普及拡大していきます。
サッポログループ物流株式会社様
本ページは、日本気象協会の輸送影響リスク判断支援サービス「GoStopマネジメントシステム」を活用した、サッポログループ物流株式会社様の導入事例を紹介するページです。気象リスクを踏まえた輸送判断や情報共有により、安全で持続可能な物流体制の構築に取り組んだ事例について掲載しています。