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天気のビジネス活用における課題 (1)気象予測を知らなかった方向け
2023.10.10
今年は残暑が続き、気温が全国的にかなり高い9月となりましたが、10月に入り肌寒く感じる日も出てきました。
2023年の夏は観測史上最も暑い夏となり、その影響を受けたビジネスも多かったことと思われます。
皆さまは今年の夏の振り返りを行われたでしょうか。
今回は「天気のビジネス活用における課題」として全2回に分けて、課題と解決策をお伝えします。
*今年の暑さとその理由については「2023年夏の振り返りと気象予測のビジネス活用」もご覧ください。
ビジネスにおける夏の暑さ対策の課題
今年は日本でも、世界でも夏の平均気温が統計開始以降最高を記録し、記録的な暑さとなりました。
皆さまは、今年の夏の暑さを予想されていたでしょうか。
気象予測をビジネスに活用することにおける課題は2つあると考えられます。
- 今年の夏が暑くなると知らなかった
=気象予測を知らなかった・入手していなかった方 ⇒ 本記事 - 今年の夏が暑くなると知っていても、何を準備したらいいのかわからなかった
=気象と自社ビジネスの関係性を知らなかった方 ⇒ こちら
以下では「1.今年の夏が暑くなると知らなかった方」向けに、長期の気象予測情報やその活用についてお伝えします。
気象予測データについて
実は1か月以上先の予報も、気象庁から「季節予報」として発表されています。
また、日本気象協会では天気予報専門サイト「tenki.jp」の「気象予報士のポイント解説」で、気象庁の「季節予報」をもとに1か月から半年先の予報についても「長期予報関連記事」として発信しています。
今年の夏に関しては、2月下旬の段階で気象庁の「3か月予報」と「暖候期予報」をもとに、今年の夏は例年より暑い「猛暑」を予想し、注意喚起をしていました。
このように、1か月以上先の予報も、一般に公開されている範囲で確認することはできます。
ただし、これらの気象庁の「季節予報」をもとにした内容は、エリアも大きく、平年値(過去30年間の平均値)からの差で表現されるため、より詳細な情報が必要な場合には、個別に気象予測データを入手する必要があります。
*平年値と長期の気象予測については「FAQ よくあるご質問」もご覧ください。
気象予測データがあるとできること
気象と自社ビジネスとの関係性がわかっている場合、1か月以上先の気象予測があることによって、前年実績をベースに計画を立てるよりも気象要因による変化を事前に予測することができ、廃棄ロスや機会ロスを減らすことにつながります。
日本気象協会では、気象予測データとして下記サービスを実施しています。
Weather Data API
1kmメッシュで任意地点の気象データ(過去実況値、気象予測)をJSON形式のAPIで取得できる天気予報APIです。
各種分析やマーケティングに活用いただけます。気象予測配信サービス
時別、日別、週別、月別など用途に合わせた気象予測データを提供します。
提供形式はCSV、PDF、FTPなどがあります。
3か月より先の予報データが必要な場合にはお問い合わせください。
暑さ予測の役立て方(事例紹介)
実際に夏の暑さの予測を活用している企業様では、在庫回転率の上昇や機会・廃棄ロスの削減、作業効率化をされています。
株式会社Mizkan様
冷やし中華の梅雨の売れ始めと需要の終わりの予測を活用。
夏季終盤の需要を予測し、余剰や不足のないように生産調整を行っている。在庫は減少傾向にあり、需要予測データが在庫効率を上げながら機会ロスを減らすことに寄与している。
*株式会社Mizkan様の詳しい導入事例はこちら
次回は「2.今年の夏が暑くなると知っていても、何を準備したらいいのかわからなかった方」向けの気象とビジネスの関係性についてお伝えします。
今年の冬の気象予測や、自社商品・サービスでの活用方法など、気になることございましたら、お気軽にお問い合わせください。