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Forecast accuracy

日本気象協会の天気予報精度検証結果(2024年7月~9月)

2024.11.28

日本気象協会は、2023年に独自気象予測「JWA統合気象予測」を開発し、日本気象協会が提供している各種気象サービスに対して高精度・高頻度・高解像度の気象予測を提供しています。
【日本気象協会】JWA統合気象予測

日本気象協会の天気予報について、2024年7月~9月の「当日の降水の有無の適中率」の評価と、「翌日における1時間ごとの天気予報の適中率」の評価を行い、気象庁よりも精度の高い月が多かったことを確認しました。

天気予報にはさまざまな要素があり、「天気予報の精度」にも多数の指標があります。
日本気象協会では、「今日、雨が降るか、降らないか」「明日は、いつ、どんな天気になるのか」を正確に予測できたかを「適中率」で継続的に評価しています。

また、今回は午後の雨が前日から予測できていたかを、人口が最も集積した関東を事例に「翌日の午後の雨の適中率」で評価しました。
その結果、7月と8月の関東地方で、日本気象協会の予報が気象庁を上回る高い適中率となりました。

日本気象協会では、皆さまにとって必要な情報とは何かを日々考え、今後も予報精度向上に努めていきます。

「当日の降水の有無の適中率」の検証結果(2024年1月~9月)

2024年7月~9月にかけての毎朝5時に発表した全国の天気予報において、「雨が降ると予報した日に、実際に雨が降ったか」という点に着目した、当日の降水の有無の適中率について検証を行いました。

検証の結果、「JWA統合気象予測」の適中率は、82~87%となり、8月を除いて、同じ評価結果を公開している気象庁の精度を上回りました。
(結果は前回検証を行った2024年1月~6月の結果と合わせて掲載しています)

日本気象協会の「朝5時発表の当日の降水の有無の適中率」(2024年1月~9月)
2024年1月~9月 日本気象協会の「朝5時発表の当日の降水の有無の適中率」

8月の「JWA統合気象予測」は、実際に雨が降った際に雨と予測していたかという「補捉率」は良かったものの、雨を予測した際に実際に雨が降ったかという「一致率」が気象庁の予測を下回り、「雨が降ると予報した日に、実際に雨が降ったか」という総合的な指標である適中率は気象庁に比べて1%低いという結果となりました。

▼ 適中率・補足率・一致率の詳細

予報と実況の対比表(分割表)

予報 (JWA統合気象予測)
降水あり 降水なし
実況
(アメダス地点観測)
降水あり A B N1=(A+B)
降水なし C D N2=(C+D)
M1=(A+C) M2=(B+D) N=(A+B+C+D)

N:全予報数

  • 適中率(%)=(A+D)÷N×100
    全体のうち、雨が降ると予報した日に実際に雨が降った日+雨が降らないと予報した日に実際に雨が降らなかった日の割合
  • 捕捉率(%)=A÷N1×100
    実際に雨が降った日(分割表のA+B=N1)のうち、雨が降ると予報していた日の割合
  • 一致率(%)=A÷M1×100
    雨が降ると予報していた日(分割表のA+C=M1)のうち、実際に雨が降った日の割合

日本気象協会では、これらの結果を踏まえて、引き続き天気予報の精度向上に努めてまいります。

当日の降水の有無の適中率 算出方法

「当日の降水の有無の適中率」は当日の朝(5時)に発表された予報をもとに、その日(5~24時)に合計1mm以上の降水があるかどうかを評価します。

このため、ある地点で雨が降る時間帯が予報と実況で異なっていたとしても、当日のどこかの時間帯で雨が降れば(もしくは雨が降らなければ)、天気予報が当たった(適中)として評価されます。
「当日の降水の有無の適中率」の算出方法 詳細

日本気象協会では、ある地点で“当日どこかの時間帯に雨が降る”という予報だけでなく、“その日の14時に雨が降る”と予想したら、実際にその時間帯から雨が降り出すといった1時間ごとの天気予報も適中させることが必要であると考えています。

そのため「当日の降水の有無の適中率」だけでなく、「翌日における1時間ごとの天気の適中率」についても検証を行っています。

翌日における1時間ごとの天気の適中率の検証結果(2024年1月~9月)

夕方(17時)に発表した141地点(全国を網羅する代表都市)の翌日の1時間ごとの天気予報を調査対象とし、1時間ごとの天気(晴れ・曇り・雨・みぞれ(雨または雪)・雪)の予報が、実際の天気を当てることができていたか確認しました。

2024年7月~9月の予報を検証した結果、「JWA統合気象予測」の適中率は7月が67%、8月が69%、9月が70%と、いずれの月においても気象庁の適中率を上回りました。
(結果は前回検証を行った2024年1月~6月の結果と合わせて掲載しています)

日本気象協会の「翌日における1時間ごとの天気の適中率」(2024年1月~9月)
2024年1月~9月 日本気象協会の「翌日における1時間ごとの天気の適中率」

大気の状態が不安定になりやすく、台風シーズン中で予報が難しい7月~9月の3か月間も、「JWA統合気象予測」の適中率は気象庁を平均で10ポイント上回る結果となりました。

翌日における1時間ごとの天気の適中率 算出方法

「翌日における1時間ごとの天気の適中率」は、予報として日本気象協会の「JWA統合気象予測」と気象庁の「天気分布予報」の翌日の天気予報を用い、実際の天気として気象庁の推計気象分布の「天気マーク」を用いて、1時間ごとに比較し、予報の適中・不適中を判定しています。

日本気象協会の「翌日における1時間ごとの天気の適中率」算出方法
日本気象協会の「翌日における1時間ごとの天気の適中率」算出方法

「翌日における1時間ごとの天気の適中率」の算出方法 詳細

7~8月の関東地方の翌日午後の雨の予報精度

今回は、夏の午後の雨が前日から予測できていたかを、人口の最も集積した関東を事例に「翌日の午後の雨の適中率」で評価しました。

夏は晴れて地面が熱せられることで積乱雲が発生しやすく、午後に積乱雲による激しい雨が降ることがよくあります。
この午後に多く発生する急な激しい雨は「不安定性降水」と呼ばれる現象で、夕立や局地的な大雨(いわゆるゲリラ豪雨)として知られています。

「不安定性降水」は特に夏に発生しやすく、昼間晴れていたのに夕方急に黒い雲が現れてあっという間に大雨となり、傘を持ってきていなくて困った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような夏の「不安定性降水」は、局地的かつ比較的短時間の雨であるため、事前に正確な時間と場所を予測することが難しい現象です。

しかし、前日から雨が降ることがわかっていれば、日常生活では翌日の荷物の準備・子どもの送り迎えの調整、ビジネスでは店舗運営や商品の販売・仕入れ、配送などで、雨に備えた計画を立てることができます。

そこで今回は、7月~8月の17時に発表した天気予報において、夏の午後に発生しやすい局地的大雨および、低気圧や前線の影響などによって降る翌日の午後の雨をどのくらい正確に予想できていたかを検証しました。なおこの検証は、人口の最も集積した関東1都6県の15地点を対象に行いました。

当日の降水の有無の適中率 算出方法

  • 地点:全国を網羅する代表都市141地点の内、関東1都6県の15地点報
  • 対象月:7月、8月
  • 対象時間:翌日12時~24時(午後)
  • 予報の発表時間:17時発表の翌日の予報
  • 予報:日本気象協会のJWA統合気象予測、気象庁の天気分布予報
  • 実際の天気:気象庁の推計気象分布
  • 雨の評価:翌日の午後の雨を当てることができたか(適中率)

検証の結果、期間中の午後の雨の適中率は、日本気象協会が79%、気象庁が68%でした。

日本気象協会では、前日の夕方に精度の高い天気予報を提供することで、ビジネスを行う皆さまの翌日の計画的な行動の役に立ちたいと考えています。

予測の難しい夏のゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な大雨についても、前日からさらに精度高く予想できるよう、精度の向上に努めてまいります。
日本気象協会の予報が当たる理由

日本気象協会の天気予報サービス

ビジネスと気象には多くの関連性があり、「世界の全産業の1/3は何らかの気象によるリスクを抱えている」と言われています。

廃棄ロス・機会ロスの削減、省力化・効率化、コスト改善などビジネスにおけるさまざまなロスの削減に、日本気象協会の高精度な気象データをご活用ください。

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