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【第2回】2024年桜開花予想 全国的に平年より早い予想、気候変動は桜の開花へ影響も

2024.02.28

*最新(2024年4月3日発表)の桜開花満開予想は【日本気象協会】2024年桜開花満開予想(第7回) 北日本は平年より早くなる傾向札幌は24日開花をご覧ください。

春の気温上昇や気候変動による桜の開花の変化についてはこちらをご覧ください。

第2回 2024年桜開花予想

一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、日本全国49地点の桜の開花予想(第2回)を、2024年2月28日(水)に発表しました。

桜の開花や満開が以前よりも早くなったと感じる方も多いかと思いますが、日本気象協会の桜開花予想でも今年は全国的に平年並みか早く、開花トップは東京などの4都市で3月21日となっています。

気候変動による気温の上昇の影響も受け、長期的にみると桜の開花にも影響が出ています。

2024年の桜の開花予想と傾向

2024年春の桜の開花は、全国的に平年並みか平年より早くなる見込みです。東・北日本ほど平年より早くなるところが多いでしょう。

2024年桜開花予想前線図(2024年2月28日発表)
2024年 桜開花予想前線図(2024年2月28日発表)

今年の桜の開花は、3月21日に東京、名古屋、岐阜、高知からスタートする見込みです。
翌22日には福岡や京都などで、23日には大阪や長崎などでも開花し、3月末までに、九州から北陸にかけての広い範囲で開花するでしょう。

4月に入ると、桜前線は東北地方を北上し、4月2日には仙台で、18日には青森で開花する見込みです。4月下旬には北海道へ到達し、札幌では25日に開花するでしょう。

2024年桜開花予想日(2024年2月28日発表)
2024年 桜開花予想日(2024年2月28日発表)

この冬(12月~2月)の気温は、期間を通してみると全国的に平年より高くなっています。
12月から1月の高温は、温暖な地域では休眠打破(※)の遅れにつながったと考えられますが、2月の高温は、各地の桜の開花を早める方向に働いたとみられます。

この先、3月上旬は寒暖を繰り返すものの気温は平年より低めに推移する所が多いでしょう。
ただ、3月中旬から下旬の気温は平年並みか平年より高く推移する見込みです。このため、桜の花芽は順調に生長し、開花は全国的に平年並みか平年より早くなるでしょう。

※休眠打破:前年の夏に形成され休眠に入った花芽が、冬になり一定期間の低温にさらされて目覚めること。

*全49地点の桜の開花予想日は、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア【tenki.jp】桜の開花予想ページにて公開しています。

言葉の説明

平年 1991~2020年の平均値
かなり早い 平年よりも7日以上早い
早い 平年よりも3日から6日早い
平年並 平年との差が2日以内
遅い 平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い 平年よりも7日以上遅い

*今後の日本気象協会の桜開花予想の発表スケジュールや開花日・満開日の基準、桜開花予想の手法・特徴などについては【日本気象協会】2024年桜開花予想(第2回)をご覧ください。

年々早まる春の到来

気象庁によれば、日本の春(3~5月)の気温は変化を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.62℃の割合で上昇しています。

この気温の上昇率は、そのほかの季節(冬・夏・秋)と比較しても高く、冬から春への気温変化はとくに極端になっていると言えるでしょう。

昨年2023年の春は、3月を中心に寒気の影響を受けにくく、暖かい空気が流れ込みやすかったことで、全国的に気温が高くなりました。
日本の平均気温の平年差は+1.59℃で、1898年の統計開始以降最も高くなりました。

日本の春の平均気温の基準値からの差
日本の春の平均気温の基準値(1991~2020年の30年平均値)からの差

*春の気温傾向と需要が増加するアイテムについては「2024年春は高温傾向例年より早く夏物アイテムの需要が増加する見通し」をご覧ください。

桜の開花への影響

気温の上昇は桜の開花にも影響を及ぼしています。

昨年2023年の東京では気温の高さの影響もあり、桜の開花は平年値(1991~2020年の30年平均値)の3月24日よりも10日早い3月14日となりました。

気象庁の「気候変動監視レポート2022」によれば、桜の開花は10年あたり1.2日の変化率で早くなっています。

さくらの開花日の経年変化(1953~2022年)
さくらの開花日の経年変化(1953~2022年)

30年ほど前の1990年平年値(1961~1990年)と現在の平年値(1991~2020年)比較すると、各都市でさくらの開花の平年値が早くなっており、東京では5日早くなりました。

主な都市におけるさくらの開花日の比較
(気象庁「気候変動監視レポート2022」より)
地点 1990年平年値
(1961-1990年)
2020年平年値
(1991-2020年)
平年値の差
釧路 5月19日 5月16日 3日早い
札幌 5月5日 5月1日 4日早い
青森 4月27日 4月22日 5日早い
仙台 4月14日 4月8日 6日早い
新潟 4月13日 4月8日 5日早い
東京 3月29日 3月24日 5日早い
名古屋 3月30日 3月24日 6日早い
大阪 4月1日 3月27日 5日早い
広島 3月31日 3月25日 6日早い
高松 3月31日 3月27日 4日早い
福岡 3月28日 3月22日 6日早い
鹿児島 3月27日 3月26日 1日早い
那覇 1月16日 1月16日 なし
石垣島 1月15日 1月18日 3日遅い

桜の開花日が早まる傾向は、要因の一つとして長期的な気温上昇の影響が考えられています。
今後も顕著に早い春の到来や、顕著に早い桜の開花は珍しいことではなくなるでしょう。

気候変動の影響を受ける中、気象予測データ活用の必要性

長期的な気温上昇によって、猛暑や豪雨といった極端な気象現象が増加しており、経済活動においても気象を無視できない状況になっています。

しかし、気象は唯一、物理学的に未来を予測することができるものです。
過去を振り返って「異常気象」を言い訳にするのではなく、気象データで未来を予測して事業のロスを減らしませんか?

気象データを活用したコンサルティング、長期の予報データの提供など、日本気象協会では気象データで社会のロスをゼロにすることを目指しています。

*2024年の夏については「2024年の夏は梅雨が長く、梅雨明け後は猛暑の予想」をご覧ください。

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