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【2026年秋冬予報】アパレル需要はどう変わる?秋物は前年より早め、冬物需要の本格化は遅め(9月1日更新)

2026.09.01

公開:2026年6月1日
最終更新:2026年9月1日

2026年秋冬は、前年(2025年)に比べて「秋が長く、冬の立ち上がりが遅い」見込みとなっています。
本記事では、2026年秋冬の天候見通しをもとに、アパレル需要とMD・生産・在庫・販促への影響を解説します。

2026年秋冬のアパレル需要と判断のポイント

  • 秋物需要:前年ほど厳しい残暑が続きにくいため、前年より早く動き始める可能性があります。
    一方、10月から11月は暖かく、秋物の販売期間は長くなる見込みです。
  • 冬物需要:2026/27年冬は暖冬傾向で、コートやダウンコートなどの需要の本格化は遅れるでしょう。
    ただし、寒波時には重衣料や防寒小物の需要が短期間で高まる可能性があります。
  • 業務判断:地域ごとの気温変化を確認し、商品投入、在庫配分、販促・売り場を段階的に調整することが重要です。

*気象データを活用した需要予測サービスの詳細は「アパレル事業者様向け 商品需要予測コンサルティング」をご覧ください。

目次

2026年秋冬の天候見通しとアパレル需要への影響

日本気象協会の「2年先長期気象予測」を活用した独自予測では、2026年秋は前年ほど厳しい残暑が続きにくい一方、10月から11月は暖かくなる見込みです。
このため、秋物需要は前年より早く動き始める可能性があるものの、秋物の販売期間は長くなると考えられます。

2026/27年冬は暖冬傾向で、本格的な冬物需要の立ち上がりは遅れる見込みです。
ただし、短期的な寒波によって、コートやダウンコート、防寒小物などの需要が急に高まる可能性があります。

アパレル業界における気象データ活用の考え方は、「アパレル需要は気温でどう変わる?─FaW TOKYOセミナーで解説された「気象データ活用」の考え方」をご覧ください。

9月:残暑は続くものの、秋物需要は前年より早く動き始める可能性

9月は平年より気温が高く、残暑が続く見込みです。ただし、顕著な高温が続いた前年ほどの厳しい暑さにはなりにくく、秋物需要が前年より早く動き始める地域があると考えられます。

2026年9月の気温や雨の傾向については、「2026年9月の天気予報|厳しい残暑と大雨に注意」で詳しく解説しています。

10月:暖かい一方、秋物需要の立ち上がりには地域差

10月も平年より気温が高い見込みです。ただし、前年との比較では地域によって気温傾向が異なるため、秋物需要が動き始める時期にも地域差が生じる可能性があります。

長袖シャツやカーディガンなどの需要が高まり始める一方、気温の高い地域では薄手の商品が引き続き選ばれやすく、地域によって商品構成が異なりやすい時期となるでしょう。

11月:暖かい晩秋で、秋物が長く活躍

11月は全国的に平年より気温が高く、前年ほど冷え込まない地域が多い見込みです。
このため、本格的な冬物需要の立ち上がりは遅く、長袖シャツやカーディガン、軽アウターなどの秋物が長く活躍すると考えられます。

冬:冬物需要の本格化は遅いが、寒波時には急増

2026年12月から2027年2月にかけては、平均的には全国的に気温が高く、本格的な冬の到来は遅い見込みです。
このため、コートやダウンコートなどの冬物需要も、前年より遅れて本格化する可能性があります。

ただし、暖かい状態が冬の間ずっと続くわけではありません。一時的に強い寒気が流れ込んだ場合には、重衣料や防寒小物の需要が短期間で急増することが考えられます。

気温と服装の関係から見る2026年秋冬の需要変化

気温と服装の関係

各カテゴリのアパレル商品の需要が増加する気温の目安

  • 最高気温23℃以上:半袖(長袖からの切り替え)
  • 最低気温15℃以下:セーター
  • 最低気温10℃前後:コート
  • 最低気温10℃未満:ダウンコート

京浜における秋物・冬物需要の予測例

京浜(東京、神奈川、千葉、埼玉)の場合

  • 長袖シャツなど秋物:9月上旬頃から需要が立ち上がる見込み
  • コートなどの冬物:11月後半以降に需要が高まり、前年より本格化が遅れる見込み

地域や商品カテゴリによって需要が切り替わる時期は異なります。京浜以外の地域や、商品カテゴリー別の詳しい予測については、記事末尾で紹介する「アパレル事業者様向け 商品需要予測コンサルティング」をご覧ください。

2026年秋冬の気温傾向の背景

秋の背景

近年は夏の高温が長引き、秋らしい期間が短くなる傾向がみられます。こうした気候の変化も、平年と比べて秋の到来が遅くなりやすい背景の一つです。

ただし、残暑の厳しさや季節の進み方は毎年同じではありません。アパレルの商品計画では、長期的な「二季化」の傾向と、その年の予報の両方を確認する必要があります。

夏の長期化や秋の短縮、いわゆる「二季化」の詳細とデータについては、「二季化とは?夏の長期化が商品需要・事業計画に与える影響を解説」で解説しています。

冬の到来が遅いのは、エルニーニョ現象などの影響

暖冬や冷夏など、季節の特徴を左右するのが「エルニーニョ/ラニーニャ現象※1」に代表される熱帯の海面水温の変化です。
日本では、エルニーニョ現象が発生すると冷夏・暖冬になりやすく、ラニーニャ現象が発生すると猛暑・寒冬になりやすい傾向があります。

現在、太平洋熱帯域ではエルニーニョ現象が発生しているとみられ、冬にかけて発達する予想です。
2026年秋には、インド洋西部の海面水温が高くなる正のインド洋ダイポールモード現象※2も発生する見通しとなっています。

こうした海面水温の変化などにより、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、2026/27年冬は全国的に暖冬傾向となる見込みです。

※1 エルニーニョ/ラニーニャ現象:太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が変化し、その状態が1年程度続く現象。海面水温が平年より高い状態となるのがエルニーニョ現象、低い状態となるのがラニーニャ現象。

※2 正のインド洋ダイポールモード現象:インド洋の西側で海面水温が高く、東側で低くなる現象のこと。日本付近の太平洋高気圧の張り出しや台風の進路などに影響することがある。

※ 本予報は、エルニーニョ現象やラニーニャ現象に代表される熱帯の海洋の変動をもとに予測を行っています。熱帯の海洋に明確なシグナルがない状況においては予測が難しく、精度が低下すると考えられます。また、数週間程度の顕著な高温や低温、長雨などが予測できるのはひと月前を切ってからとなります。利用に当たってはご注意ください。

2026年秋冬のアパレル業界への影響

2026年秋冬の天候と需要の見通しより、MD、生産・在庫、販促・売り場では、次のような影響が想定されます。

MD(マーチャンダイジング)

  • 秋物と冬物の展開期間が重なり、商品構成を切り替える時期を判断しにくくなる
  • 地域によって需要の立ち上がりが異なり、全国一律の商品展開とのずれが生じやすくなる
  • 寒波時に、重衣料や防寒小物の需要が短期間で集中する可能性がある

生産・在庫

  • シーズン前半に冬物在庫が積み上がる可能性がある
  • 暖冬による過剰在庫と、寒波による欠品の両方が生じる可能性がある

販促・売場

  • カレンダーに合わせた販促と実際の需要にずれが生じる可能性がある
  • 秋物と冬物の販促期間が重なり、訴求商品を選びにくくなる
  • 気温の急低下により、売り場やECの訴求商品が短期間で変化する可能性がある

判断シーン別の対応ポイント(例)

Q.秋物はいつ投入すべきですか?

A.2026年は秋物を一律に遅らせるのではなく、地域ごとの気温変化を確認しながら段階的に投入することが考えられます。京浜では、前年より早めの立ち上げを想定して準備する必要があります。

Q.冬物在庫はどう調整すべきですか?

A.暖冬を基準に販売計画を立てる必要があります。ただし、暖かい状態が冬の間ずっと続くわけではありません。一時的に強い寒気が流れ込んだ場合には、重衣料や防寒小物の需要が短期間で急増する可能性がありますので、寒波のタイミングを事前に把握し、販売チャンスを逃すことなく、展開していくことが重要です。

Q.セールは前倒しすべきですか?

A.一律に前倒しするのではなく、地域別の気温低下と冬物需要の立ち上がりを確認して判断します。暖冬傾向でも寒波によって需要が戻る可能性があるため、段階的な値下げも選択肢となります。

Q.売場はどう変えるべきですか?

A.秋物を早めに立ち上げ、暖かい晩秋は長袖シャツ、カーディガン、軽アウターなどを長く展開します。寒波が予想された場合には、コートやダウンコート、防寒小物の訴求を速やかに強化します。

長期予報から短期予報へ、計画を段階的に更新する

2026年秋冬は、平均的には暖かくても、短期間の気温変化によって需要が急に切り替わる可能性があります。シーズン前に立てた計画を固定せず、予報期間に応じて判断を更新することが重要です。

  1. 長期予報で、シーズン全体の商品構成・予算・発注方針を決める
  2. 需要予測・6か月先予報で、季節商品の投入時期や在庫配分を具体化する
  3. 1か月予報で、地域・商品カテゴリごとに展開時期を見直す
  4. 2週間予報・短期予報で、売り場変更・販促・追加発注を調整する

長期予報はシーズン全体の方向性を決めるために活用し、販売時期が近づいたら、1か月予報や2週間予報などの新しい情報へ順次置き換えます。
これにより、機会ロス・廃棄ロスの削減、効率化につなげることができる可能性があります。

気象データを活用した需要予測・MD最適化をご検討の方へ

気温変動による需要のズレは、「予測できないリスク」ではなく、「事前に織り込むべき前提条件」へと変化しています。

特に、2026年秋冬のように、秋物需要の早い立ち上がり、暖かい晩秋、冬物需要の遅れ、短期的な寒波が想定される年は、シーズン平均の気温だけでなく、地域・商品カテゴリーごとの需要変化を捉える必要があります。

アパレル事業者様向け 商品需要予測コンサルティング

次のような課題をお持ちのアパレル事業者様におすすめのサービスです。

  • 秋物・冬物の投入時期を地域別に判断したい
  • 商品カテゴリー別の需要の立ち上がりやピークを把握したい
  • 過剰在庫や欠品による機会損失を抑えたい

日本気象協会では、気象データと企業の販売実績を組み合わせ、商品別・地域別の売れ始め、需要ピーク、終売時期などを予測します。
長期的なシーズン設計から、MD、生産、在庫、販促、売り場変更まで、アパレル事業者様の課題に応じた気象データ活用をご提案します。

詳しくは、アパレル事業者様向け 商品需要予測コンサルティングをご覧ください。
気象データを活用した需要予測の導入事例は、株式会社アダストリア様で紹介しています。

自社のMD・生産・在庫・販促へ気象データをどのように組み込むかは、お問い合わせください。

より長期の商品計画には「2年先長期気象予測」

翌年度以降の商品計画や発注計画を早期に検討したい場合は、日本気象協会の「2年先長期気象予測」を活用できます。最長2年先までの月ごとの気温・降水量・降雪量・日照時間などを、シーズン設計、予算、商品企画、調達・生産計画の前提として利用できます。

詳しくは、2年先長期気象予測をご覧ください。