News
2025年2月7日(金)に発生した米子道の大雪による車両スタック GoStopマネジメントシステム予報事例
2025.03.28
物流の維持には、気象データを活用し、リスクを回避することが重要です。
特に冬季は雪の影響を受けるため、気象リスクの回避・リスク情報の共有がトラックドライバーの安全確保や物流網の維持に欠かせない要素となります。
今冬は2月に2度の寒波があり、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪となりました。
*2024年~2025年冬の振り返りと商品売上、物流への影響
日本気象協会では「GoStopマネジメントシステム」にて、気象が道路に与える輸送影響リスクを早期に予測し、ドライバーと貨物を守るための輸送判断を支援する情報を提供しております。
GoStopマネジメントシステムでは、冬季には大雪や吹雪における輸送影響リスク情報、夏季には大雨や台風時の暴風・越波を提供しており、通年ご活用いただけます。
今回は、2025年2月7日(金)に生じた岡山県と鳥取県を結ぶ米子道の車両スタック時の予測状況についてご紹介します。
2025年2月7日(金)車両スタック時の予報事例
大雪による車両スタックの発生
2025年2月3日(月)から今季一番の強い寒気が南下した影響で、西日本の日本海側は大雪となりました。
この大雪により、7日(金)16時半頃に米子道(上り線)江府IC〜蒜山IC間で、トレーラー2台がスタックしました。
そこに後続車の立ち往生が連なり、約100台の車がおよそ2kmに渡って滞留したため、米子道では7日(金)16時半から米子IC〜久世IC間が上下線とも通行止めとなりました。
ノーマルタイヤの車両を含む、すべての車両退避が完了したのは7日(金)23時55分で、当該区間の通行止め全面解除は9日(日)5時41分でした。
スタック発生の4日前の予報
GoStopマネジメントシステムでは、米子道においてスタック発生の4日前の3日(月)の段階で、7日(金)以降に通行警戒(事故のリスクが高まる)を予測しました(図1)。

通行止め時間帯は黒枠で表示
スタック発生の3日前の高速道路影響予測
スタック発生の3日前である4日(火)20時の段階では、インターチェンジ単位での影響予測表において、7日(金)14時以降、スタック発生区間である江府IC〜蒜山IC間で通行警戒を予測し、事故リスクが高いことを予測していました(図2)。

スタック発生当日の高速道路影響予測
スタックが発生した当日7日(金)の朝5時の予測では、7日(金)15時以降に江府IC〜蒜山IC間で通行警戒を予測し、スタックが発生した場所・時間帯において事故リスクが高いことを予測していました。
その後も8日(土)をピークに9日(日)の明け方にかけて米子IC〜久世IC間で通行警戒・厳重警戒(輸送影響リスクが最も高く、最悪通行止めとなる可能性)を予測していました。
実際に、通行警戒・厳重警戒を予測した米子IC〜久世IC間において、スタック発生後から9日(日)の明け方にかけて通行止めとなりました(図3)。

通行止め時間帯は黒枠で表示
GoStopマネジメントシステムについて
GoStopマネジメントシステムは全国の高速道路、国道、鉄道、海運(港湾・航路)を対象に、気象状況が各種道路・施設に与える輸送影響リスクを、悪天候の最大6日前から地図や表によりひと目で確認できるWebサービスです。
GoStopマネジメントシステムをご利用いただくことで、物流に影響を及ぼすような気象災害時に、事前の輸送計画作成や輸送モードの切り替え、荷主企業との円滑な調整を実現します。
GoStopマネジメントシステムについてのお問い合わせはこちら。
その他、日本気象協会では海洋向け気象海象情報を提供する「海洋向け気象情報サービス」、1kmメッシュの高精度な気象データ(過去実況値、気象予測)を取得できる「Weather Data API」、資材調達・生産総数策定にも役立つ「2年先長期気象予測」など、様々な気象データの提供・コンサルティングを行っています。
お気軽にお問い合わせください。