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2024年春夏も気温は高め、夏物商材の売り上げが立ち上がるタイミングは?~半袖への切りかえ目安「最高気温23℃」に注目~

2024.04.10

今年の3月は寒の戻りを繰り返し、7年ぶりに気温の低い3月となりましたが、この先4月中旬にかけては全国的に気温が上昇し、東日本や西日本だけでなく、北日本でも初夏を思わせる暖かさになるでしょう。

最高気温が23℃を超えると半袖を着る人が増え、夏物商材の売上が大きく伸び始めます。
気象情報を確認して、タイミングを逃さないようにしましょう。

4月以降の気温傾向と、夏物商材別の立ち上がり傾向を見て行きます。

*2024年の梅雨と夏の予報は2024年の夏は梅雨が長く、梅雨明け後は猛暑の予想をご覧ください。

この先3ヶ月の気温は全国的に高めの傾向

気象庁の3か月予報によれば、地球温暖化や終息に向かうエルニーニョ現象の影響などによって、地球全体で大気の温度がかなり高くなっています。
また、エルニーニョ現象の名残によってフィリピン付近から日本の南海上で太平洋高気圧が強く、日本付近には高気圧の縁辺を回る暖かく湿った空気が流れ込みやすいでしょう。

これらのことから、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、4月から6月にかけては、全国的に気温は平年より高い傾向となりそうです。
特に、沖縄・奄美、西日本、東日本は、早い時期から熱中症に注意が必要です。
ゴールデンウィークの頃には、関東から西で最高気温が25℃以上の夏日になる日もあるでしょう。

北日本も気温が4月から6月にかけて、急な暑さには注意が必要です。

また、西日本を中心に降水量が多い予想で、雨の降り方も季節を先取りしたような大雨になる日がありそうですから、ご注意ください。

夏物商材と気温の関係

夏物商材の多くは、寒い時期からじわじわと売れ始めますが、ある気温を超えると、売り上げが大きく伸び始めます。

最高気温と売り上げが伸びる商材の関係について、京浜エリアのデータを例に、詳しく解説していきます。
※株式会社インテージSRIデータ(2012~2018年)より作成

京浜エリアにおける最高気温と売り上げが伸びる商材
最高気温 時期の目安 売り上げが伸びる商材
20℃ 4月中旬 アイスクリーム
乾麺
100%ジュース
スポーツドリンク
殺虫剤
制汗剤
23℃ 5月上旬 麦茶、液体茶
炭酸飲料・サイダー
果汁飲料、牛乳
ミネラルウォーター類
生麺・ゆで麺
畜肉ハム
デザート類
日焼け止め
目薬、皮膚用薬(徐殺菌)
25℃ 5月下旬 シロップ類
美容・健康ドリンク、栄養ドリンク
野菜ジュース
エチケット品
中性洗剤、カビ防止剤、漂白剤
石鹸、ウェットティッシュ
28℃ 6月中旬 もずく・めかぶ、豆腐類
乳酸菌飲料、ドリンク剤
コーラ
紅茶ドリンク
練りミルク
つゆ・鍋物料理の素
絆創膏

最高気温20℃(4月中旬ごろ)

アイスクリームやスポーツドリンク、そうめんなどの乾麺といった、冷たい食べ物、飲み物の売り上げは、最高気温20℃を超えると大きく伸び始めます。

真夏の20℃は涼しいほどの気温ですが、春になって初めて迎える20℃は快適で、軽く運動をすれば暑く感じる気温です。
体はひんやりしたものが欲しがり、制汗剤の売り上げも伸びるなど、動くとじんわり汗をかき始める気温と言えるでしょう。

また、ハエは気温20℃以上で活動し始めると言われており、殺虫剤の売り上げが伸びるのも最高気温20℃です。

最高気温23℃(5月上旬頃)

最高気温23℃を超えると、麦茶、液体茶、炭酸飲料、ミネラルウォーターといったドリンク需要がいっきに高まります。
汗をかきやすくなり、水分補給をする機会が増加します。

このタイミングで生麺・ゆで麺と一緒に畜肉ハムが本格的に売れています。おそらく冷やし中華を食べる人が増えているということでしょう。

日焼け止めの売り上げが大きく伸びるのもこの時期です。
最高気温23℃は、長袖から半袖への切りかえの目安にもなります。薄着になり、日焼け対策も本格的に始めるタイミングです。

最高気温25℃(5月下旬頃)

最高気温25℃になると、美容・健康ドリンク、栄養ドリンクが伸びるなど、健康を意識する人が増える傾向にあります。

気象の世界では最高気温25℃以上を「夏日」と呼びます。
本格的に「暑い」と感じる気温と言えるでしょう。脱毛剤などのエチケット品の売り上げも伸び、ファッションも本格的な夏モードになります。

中性洗剤やカビ防止剤の売り上げが伸びるなど、湿度が高くなり始め、水回りのカビが気になり始める時期でもあります。

さらに、蚊が活発に活動をする気温帯は26℃から31℃と言われており、最高気温20℃で伸びる殺虫剤の売り上げは、この頃にピークを迎えます。

最高気温28℃(6月中旬頃)

最高気温28℃になると、豆腐類やもずく・めかぶといった低カロリーのメニューの売り上げが伸びることから、食欲が減衰する人が増えるようです。
練りミルクが売れるなど、かき氷を食べ始める人も増えると考えられます。
つゆ・煮物料理の素が伸びるのに合わせて、乾麺の売り上げも急上昇します。

上記の時期は、各最高気温が平均的に出現するようになる目安の時期です。
実際には春から夏にかけての気温は大きく上下するため、目安時期のひと月前には出現し始めると考えておくと良いでしょう。

地域にもよりますが、最高気温23℃であれば4月上旬、最高気温が25℃以上の夏日であれば、ゴールデンウィーク前には突発的に出現します。

半袖切りかえ前線

最高気温が23℃を超えると、長袖から半袖に切りかえる人が増えます。
前述のように、23℃で飲料や冷たい麺類、日焼け止め関連の商材が大きく伸び、消費者マインドに本格的な夏へのスイッチが入ると言えるでしょう。

最高気温23℃以上の日が一週間程度続くようになるタイミングを「半袖切りかえ前線」として、各地に半袖切りかえ前線がいつ頃到達するのか、4月17日現在の予報でみてみます。

沖縄地方、九州南部、関東甲信の一部はすでに23℃を超えて半袖に切りかわっているかと思いますが、それ以外の地域ではこれから半袖への切りかえを迎えます。

福岡、広島、大阪、名古屋を含む九州から東海、関東甲信の一部地域では4月下旬ごろ、近畿、東海、関東甲信、北陸地方の一部では5月上旬ごろ、金沢や、仙台を含む東北南部では5月中旬ごろ、新潟や、東北北部の一部では5月下旬ごろ、東北北部の一部で6月上旬ごろ、青森や、札幌を含む北海道地方では6月中旬ごろが半袖切りかえ準備の目安となっています。

日本気象協会 半袖切りかえ前線(2024年4月17日発表)
日本気象協会 半袖切りかえ前線(2024年4月17日発表)

最初に暑いと感じるタイミングで夏物商材が立ち上がりますので、半袖への切りかえのタイミングを目安に夏物商材の準備をしてみると良いかもしれません。
最新の気象情報も確認して、ビジネスチャンスを逃さないようにしましょう。

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