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2025年の梅雨は東日本や西日本を中心に降水量が多い予想、物流・小売・農業などで事前の対策を
2025.05.22
日本気象協会の梅雨入り予想では、今年は関東~九州で平年並みの「6月上旬」頃の梅雨入りと予想しています。今年の梅雨は、東日本や西日本を中心に降水量が多い予想で、梅雨入り前から大雨となることもありそうです。
梅雨時期は大雨に注意が必要ですが、特に梅雨末期にかけては大雨となりやすく、災害が発生することもあります。ビジネスでは特に、物流・小売・農業などで予報を活用した早めの対策が重要になるでしょう。
2025年の梅雨入りと降水量の予想
気象庁が5月20日に発表した3か月予報では、今年の6月~8月は、西日本・東日本を中心に暖かく湿った空気が流れ込みやすく、降水量は平年並みか多い見込みとなっています。

今年の梅雨入りは、5月16日に九州南部、19日に奄美で、22日に沖縄で梅雨入りとなりました。
※梅雨は季節現象であり、梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。なお、この梅雨入りの発表は速報値です。秋に再検討され、見直されることがあります。
今後の梅雨入り予想は、九州北部から関東で平年並みの「6月上旬」、北陸・東北で平年並みか遅く「6月中旬」となっています。
*梅雨入り予想の詳細や前年との比較は2025年梅雨入りは関東~九州北部で平年並みの6月上旬予想 前年より早めの梅雨入り、生産・物流・販売でも準備ををご覧ください。
梅雨の期間は太平洋高気圧の日本の南への張り出しが強く、その周辺部に沿って本州付近に湿った空気が流れ込むため、梅雨前線の活動が活発となり、大雨となるおそれがあります。
梅雨の降水量は、東日本や西日本を中心に多い予想で、梅雨入り前から大雨となることもあるでしょう。
天気予報専門メディア「tenki.jp」やビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」などで、最新の予報を確認し、対策を行ってください。
梅雨末期の大雨とは?梅雨末期に豪雨となりやすい理由
梅雨明けの時期は地域ごとに異なりますが、おおむね6月末から7月にかけての「梅雨末期」には、西日本を中心に豪雨が発生しやすく、特に注意が必要です。
梅雨末期は、太平洋高気圧に押し上げられて梅雨前線が北上し、本州付近に停滞するようになります。高気圧周辺は時計回りに風が流れているため、高気圧のふちに沿って南西~南から暖かく湿った空気が入りやすくなります。
この時、梅雨前線に沿って積乱雲が次々と発生し線のように連なると、「線状降水帯」が発生します。「線状降水帯」は、50kmから300kmにわたって積乱雲が列をなして次々に発生し、同じ場所で長時間激しい雨を降らせ、大規模な災害をもたらします。
*線状降水帯の詳細:【tenki.jp】線状降水帯とは?
特に、東シナ海から大量の水蒸気を取り込んで流れ込みやすい九州や四国や中国地方など西日本を中心に、豪雨になることが多くあります。
また、梅雨末期は台風も発生しやすい時期でもあります。
「梅雨前線」と「台風」が一緒になると、大雨の危険性が高まります。
大雨が物流・小売・農業に与える影響
大雨は交通・人流・購買行動・作物などさまざまなものに影響し、ビジネスへの影響が出ることも多くあります。
物流業では、大雨による通行止めや運休により、配送遅延や在庫管理に影響が出る可能性があります。
小売業では、大雨予報による購買商品の変化や物流の停滞による商品供給の遅延、雨による来客数の減少などの影響が考えられます。また、雨の状況によっては、浸水や停電など、店舗の運営に影響が出る場合もあります。
農業では、過剰な降雨による作物の根腐れや病害の発生、土砂災害や浸水による農地や農業用施設への被害が懸念されます。
事前に大雨に関する予報を入手して、対策を行う必要があります。
雨の時期の気象災害リスクを事前に把握する方法
日本気象協会では、雨の時期のビジネスにおける気象災害リスクを低減するため、さまざまなサービスを提供しています。
- 物流向けGoStopマネジメントシステム
気象状況が輸送手段に与える輸送影響リスク情報を提供し、物流業務において命と荷物を守る判断をサポートするWEBサービスです。
悪天候の最大6日前から、全国の高速道路、国道、鉄道、海運(港湾・航路)を対象に、地図や表による輸送影響リスクを提供します。お問い合わせはこちら。 - 気象災害リスク情報 (日本気象協会のYoutubeへリンク)
日本気象協会では、通常の降水確率や天気予報の天気マークから把握することのできない、荒天が予想される日の雨の降る量や風の強さをアプリ「biz tenki」や気象災害リスク予測APIで提供しています。
「気象災害リスク情報」では1kmメッシュでピンポイントに、14日先までの「大雨確率」「既往最大比(※)」「強風・暴風確率」「降雪確率」を知ることができます。
※既往最大比:予想される降水量が過去の最大雨量の何割に当たるか(その地点における災害の起こりやすさを示す指標で日本気象協会と静岡大学との共同研究より100%を超えると人的被害が出始める) - ビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」
月額650円で、最長6か月先までの体感気温や30日先までの天気・気温・体感の変化、2週間先までの大雨・暴風確率を確認することができるビジネス向けの天気予報アプリです。
長期の農作業計画の際に役立つ、積算気温コンテンツ(起算日、積算温度目標値から、目標に到達する週や昨日までの積算気温の経過を表示)も搭載しています。
「biz tenki」のダウンロード・サブスクリプション購入は各アプリストア(iOS/Android)から。
日本気象協会ではその他にも、
- 気象予測配信サービス:ニーズに応じて気象データを提供
- Weather Data API:1kmメッシュで任意地点の高精度な気象データ(過去実況値、気象予測)を取得可能
- ENeAPI:エネルギー事業者様向けに特化した高精度な気象情報を提供
- シナリオ型台風予測情報:台風予測を従来のような1つの予報円ではなく複数の「確率付きシナリオ予測情報」として提供
気になるサービスがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
*詳しい夏の予報は2025年の夏も全国的に猛暑 観測史上1位タイの高温となった2024年との違いは?をご覧ください。