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2025年の夏も全国的に猛暑 観測史上1位タイの高温となった2024年との違いは?

2025.02.25

夏は気象の経済への影響がもっとも大きくなる季節です。
ビールやアイスクリームなどの夏商材は気温1℃で売上が大きく変化し、エアコンなどの使用によるエネルギー需要や、農作物の生育、観光・レジャーの活況にも大きな影響があります。熱中症などの健康被害や、台風、豪雨による自然災害も近年は深刻化しています。

2023年、2024年の夏は2年連続で観測史上1位の記録的な猛暑となりました。
2025年は過去2年ほどの顕著な猛暑にはならない見通しですが、近年の中ではかなり暑い夏になるでしょう。さらに、2024年との違いとして、梅雨入り・梅雨明けが早く、夏の前半から台風の発生が多い見込みです。

2025年の夏も猛暑 続くラニーニャ現象の影響

2025年夏も全国的に猛暑が予想されています。鍵となるのが「ラニーニャ現象」です。
ラニーニャ現象とはエルニーニョ現象と対になり、太平洋熱帯域の海面水温が変化する現象です。

現在、ラニーニャ現象発生の定義は満たしていませんが、太平洋熱帯域の海面水温はラニーニャ現象よりの分布となっています。ラニーニャ現象が発生すると、冬は寒く、夏は猛暑となる傾向があります。
今年の冬はたびたび強い寒波がやってきましたが、このあともラニーニャ現象よりの影響が残り、夏は暑くなる予想です。

▼ エルニーニョ現象・ラニーニャ現象とは

  • エルニーニョ現象:太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象。日本では冷夏・暖冬になりやすい傾向があります。
    【tenki.jp】エルニーニョ現象とは
  • ラニーニャ現象:太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象。日本では猛暑・寒冬になりやすい傾向があります。
    【tenki.jp】ラニーニャ現象とは

2025年 夏の天候

2025年は、前年と比較して太平洋高気圧の北への張り出しが強く、梅雨前線の北上が早いでしょう。
梅雨入りは、各地で6月下旬となった前年より早く、梅雨明けも前年より早いところが多くなりそうです。梅雨明け後は全国的に猛暑となるでしょう。

▼ 2024年の梅雨入りと梅雨明け(確定値)

地方 梅雨入り 梅雨明け
沖縄 5月21日 6月20日
奄美 5月21日 6月22日
九州南部 6月8日 7月16日
九州北部 6月17日 7月17日
四国 6月17日 7月17日
中国 6月20日 7月21日
近畿 6月17日 7月18日
東海 6月21日 7月18日
関東甲信 6月21日 7月18日
北陸 6月22日 7月31日
東北南部 6月23日 8月1日
東北北部 6月23日 8月2日

【気象庁】梅雨入りと梅雨明け(確定値)より日本気象協会にて作成

観測史上1位の猛暑になった2023年、2024年の夏と比較すると、地球の大気全体の昇温はやや落ち着いてきているため、過去2年ほどの顕著な猛暑にはならない見通しですが、近年の中ではかなりの暑い夏になるでしょう。

また、梅雨前線の活動が活発になる時期がある予想で、今年も梅雨末期の大雨には警戒が必要です。
さらに、前年よりもフィリピン付近で積乱雲が発生しやすいため、夏の前半から台風の発生が多くなる可能性があり、台風が接近する時期もありそうです。

今年の夏も猛暑と大雨への備えが必要でしょう。

夏商材(スポーツドリンク・アイスクリーム・冷たい麺類・制汗剤・日焼け止めクリームなど)の需要や電力需要は、2025年夏も高い需要が続くでしょう。
農作物は高温障害や、台風などによる被害に注意が必要です。

2年先長期気象予測によれば、秋にかけても厳しい残暑が予想されます。
前年ほどの顕著な高温にはならない予想ですが、冬商材の立ち上がりは今年もゆっくりでしょう。

※本予報は、エルニーニョ現象やラニーニャ現象に代表される熱帯の海洋の変動をもとに予測を行っています。熱帯の海洋に明確なシグナルがない状況においては予測が難しく、精度が低下すると考えられます。
また、数週間程度の顕著な高温や低温、長雨などが予測できるのはひと月前を切ってからとなります。利用に当たってはご注意ください。

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