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2026年春は寒暖差大、夏は猛暑の可能性 夏商材は4月中に立ち上がりか

2026.03.11

2026年春は寒暖の変動が大きいものの、気温上昇が早く、夏商材の需要は前年(2025年)と同様に4月中に立ち上がるでしょう。

また、2026年夏は太平洋高気圧が本州付近に張り出しやすく、前年と同様に梅雨入り・梅雨明けが平年より早めで、暑さの到来も早い見込みです。
地球の大気全体の気温が高い状態が続いていることから、偏西風の蛇行や太平洋高気圧の張り出しなどの条件が重なった場合、近年に匹敵する顕著な猛暑となる可能性があります。

春から夏にかけての気象は、商品の需要や売り場展開、電力需要など企業活動にも大きく影響します。
本記事では、2026年春夏の気象傾向と、企業活動への影響について解説します。

目次

2026年春は寒暖差が大きいが、気温上昇は早め

2026年の春は、平年と比べて西日本・東日本を中心に気温が高い見込みです。
一方で、寒気の影響を受けるタイミングもあり、寒暖の変動が大きい春となる可能性があります。

ただし、4月以降は気温が早いペースで上昇し、初夏を思わせる陽気の日も増えると予想されています。

夏商材立ち上がり:東京は4月中旬から需要増加見込み

一般に日最高気温が20℃を超えると、アイスクリームやスポーツドリンクなどの夏商材は需要が増加します。

日本気象協会では、夏商材の一例として「アイスクリーム」に着目し、需要が伸び始める時期の目安を示す「アイスクリーム前線」を作成しました。
「アイスクリーム前線」は、気温の上昇に伴ってアイスクリームなどの夏商材の売り上げが伸び始める時期を示したものです。

2026年は、九州や四国、近畿、東海、関東の一部で4月中旬までに夏商材の需要が立ち上がり、東日本、西日本のそのほかの地域でも4月下旬にはシーズンインとなる見込みです。
東北では5月上旬から中旬、北海道では5月下旬にかけて「アイスクリーム前線」が到達しそうです。

【日本気象協会】アイスクリーム前線(2026年3月10日発表)
【日本気象協会】アイスクリーム前線(2026年3月10日発表)

春の寒暖差が大きい年は、需要が週ごとに変動しやすい傾向があります。
企業は短期の気象予測を活用しながら、在庫調整や売り場展開を柔軟に行うことが重要になります。

夏商材立ち上がり:前年に比べるとやや遅い予想

札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の主要6都市における夏商材が売れ始める時期の目安を、前年と比較すると、2026年は夏商材の立ち上がりは少し遅れるでしょう。
2025年の春も寒暖差が大きい中、気温が上昇した4月上旬に夏商材のシーズンインとなりました。

2026年は前年に比べると気温の上昇タイミングがやや遅い予想ですが、4月以降は初夏を先取りした陽気の日も多く、夏商材の需要が伸びやすい見込みとなっています。

【日本気象協会】アイスクリームなどの夏商材が売れ始める時期(2026年3月10日発表)
【日本気象協会】アイスクリームなどの夏商材が売れ始める時期(前年比較)

2026年夏も猛暑予想、2025年との違いは?

2026年夏のポイント

  • 前年同様、梅雨明けが早く猛暑の到来が早い
  • 記録的な猛暑となった近年の夏に匹敵する、顕著な高温となる可能性もある
  • 夏の後半はエルニーニョ現象への移行の可能性から、台風の影響を受けやすい

2026年夏の予報の背景と2025年との違い

2026年の夏も猛暑となる可能性があり、2025年と同様に厳しい暑さへの警戒が必要です。

鍵となるのが「エルニーニョ・ラニーニャ現象(*1)」です。
エルニーニョ・ラニーニャ現象は対となる現象で、太平洋熱帯域の海面水温が変化することで、大気の流れや降水の分布に影響を与えるものです。

*1 エルニーニョ・ラニーニャ現象

エルニーニョ現象は太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象。日本では冷夏・暖冬になりやすい傾向があります。

ラニーニャ現象は太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象。日本では猛暑・寒冬になりやすい傾向があります。

近年は、地球の大気全体の気温が高い状態が続いていることに加えて、太平洋熱帯域の海面水温がラニーニャ現象に近い分布となる時期がありました。

2024/2025年冬から2025年夏にかけては、こうした状況が大気の循環に影響し、太平洋高気圧が強まりやすい背景となって、2025年夏の記録的な猛暑の一因になったと考えられます。

2025/26年冬もラニーニャ寄りの海面水温分布がみられたため、2026年夏の前半にかけては前年に似た気象の背景となることが考えられます。
このため、2026年夏の前半は、太平洋高気圧が日本付近へ張り出しやすく、気温が高くなりやすい見通しです。

さらに、地球規模で気温の高い状態が続いていることや、日本近海の海面水温が高い状態が続いていることも、高温になりやすい背景要因となります。
偏西風の位置や太平洋高気圧・上層の高気圧(チベット高気圧)の張り出しなどの条件が重なった場合、記録的な猛暑となった2023~2025年に匹敵する厳しい暑さとなるおそれがあります。

一方で、夏の後半は海面水温分布がエルニーニョ現象側へ移行する可能性があり、太平洋高気圧の勢力が一時的に弱まることで、台風の影響を受けやすいことも想定されます。
2026年夏は、猛暑への備えに加え、大雨や台風への備えも重要となるでしょう。

よって、2026年夏は

  • 早めの梅雨明け
  • 猛暑
  • 大雨・台風

に備える必要がある見込みです。

*詳しい夏の予報は【2026年夏の天気予報】今年は猛暑?気温は平年より高い?をご覧ください。

※本予報は、エルニーニョ現象やラニーニャ現象に代表される熱帯の海洋の変動をもとに予測を行っています。熱帯の海洋に明確なシグナルがない状況においては予測が難しく、精度が低下すると考えられます。
また、数週間程度の顕著な高温や低温、長雨などが予測できるのはひと月前を切ってからとなります。利用に当たってはご注意ください。

春夏の気象が企業活動に与える影響

春から夏にかけての気象は、さまざまな業界のビジネスに影響します。

製造業

2026年も平年より気温の高い傾向が続き、前年と同様に早めに気温が上昇する見込みのため、冷感商品・飲料などの夏商材の需要が早期に立ち上がる見込みです。
暑い夏が続くことで、外出を控える、屋内で過ごす、買い物頻度を減らすといったライフスタイルが変化している可能性もあり、需要傾向の変化にも注意が必要です。

小売業

夏商材の売り場展開は、早めに準備すると良いでしょう。
春から夏にかけては気温の変動が大きいため、短期の気象予測を活用した在庫調整を行うと、効率的な調整が可能になるでしょう。
また、夏は高温による外出控えや雨による客足への影響が予想されます。

アパレル業

前年と同様に、夏物の需要期間が長いでしょう。秋口まで半袖で過ごすことができる暑さが続き、秋物の立ち上がりは遅れるでしょう。
前年は暑い夏から寒い冬への移行で秋物の需要期間が短くなりましたが、2026年は秋を感じる期間が長く、秋物の需要期間は前年よりも長くなりそうです。

エネルギー業

4月以降、快適な気温の日が増えると電力余剰のリスクがあります。
特に、土日祝日や春の大型連休は注意が必要です。前年と同様に、暑さによる冷房需要のピークは早まるでしょう。
秋以降は長雨・台風の影響により、太陽光発電量が不安定化する可能性があります。

物流業

気温の上昇が早いため、労働環境で早めの熱中症対策が必要となるでしょう。
夏後半から秋は、長雨・台風により物流遅延や在庫偏りの原因となる可能性があります。

農業

暑さの早い到来により、作柄への影響が生じる可能性があります。圃場(ほじょう)の水分状況や生育の進み具合をこまめに確認し、かん水や遮光などの暑さ対策を前倒しで行うと良いでしょう。
また、夏後半から秋の天候不順によって、品質や収量に影響するリスクがあります。長期と短期の気象予測を参考に対策を行ってください。

*今夏の小売・製造業への影響の詳細
【2026年夏の天気予報(企業向け)】猛暑予想は売上・在庫・生産にどう影響?小売・製造業の判断分岐点を解説

気象予測をビジネスに活かす

気象の変化はますます顕著になり、資材の高騰や人手不足など、さまざまな社会課題が深刻化する中、気象は唯一「物理学的に未来を予測することができる」ことが大きな特徴です。

全産業の約3分の1が天候関連のリスクに直面していると推定されており、「気象予測」を活用した事前対策はビジネスにとって非常に重要です。

前年実績をもとに生産計画を立てる方法よりも、気象予測に基づいた計画立案は、気象要因に伴う廃棄ロスや機会ロスを3割から4割減らすことが可能となります。
日本気象協会では、直近の予報から最長2年先まで、さまざまな気象データの提供と専門知見に基づくコンサルティングを行っています。

企業活動において、気象予測を活用した計画立案の重要性は今後さらに高まっていくと考えられます。
是非、日本気象協会の精度の高い気象予測とコンサルティングサービスをご活用ください。

  • 2年先長期気象予測
    日本気象協会は業界で初めて、従来よりも精度が高く、予測期間の長い予測手法を開発しました。
    最長2年先までの気温や降水量、降雪量などの長期の傾向を把握することで、企業の調達計画・生産計画・在庫計画・マーケティング計画に活用可能です。特定商材への需要予測に落とし込んだコンサルティングも行っています。
  • 需要予測コンサルティング
    気象データと自社の商品データを組み合わせて分析し、気象条件と販売実績の相関を可視化します。これにより、どの気象環境でどの商品に需要が出るかを把握し、販売計画や在庫計画に活かすことができます。
  • 気象データ提供
    高精度な気象データは、廃棄ロス・機会ロス削減に有効です。日本気象協会では高精度な気象データをニーズに合わせて提供します。
    • 気象データ配信:過去データから予測まで、気象要素・エリア・ファイル形式・提供方法もニーズにお応え
    • Weather Data API:1kmメッシュで任意の地点の気象データ(過去の実況値および気象予測)を最大8週間先まで取得できる天気API(Web API/JSON形式)、「体感指数」や「暑さ指数」も提供可能
  • 気象データ活用を手軽に始めるビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」
    「biz tenki(ビズテンキ)」は、ビジネスパーソンや法人を対象としたビジネス向け天気予報アプリです。月額650円で、1kmメッシュの高精度な気象予測(天気・気温・体感・日射など)を30日先まで確認でき、大雨・暴風確率といった気象災害リスクを知ることもできます。「biz tenki」の購入はアプリストアから(月額650円、1か月無料トライアル実施中)。

FAQ|よくある質問

Q.春の気温は高いですか?

A.2026年春の気温は、西日本・東日本を中心に平年より高い見込みです。
前年(2025年)同様、寒暖の変動が大きいものの、4月以降は気温が早いペースで上昇し、初夏を思わせる陽気の日も多くなるでしょう。

Q.夏商材はいつ売れ始めますか?

A.一般に日最高気温が20℃を超えると、アイスクリームやスポーツドリンクなどの夏商材の需要が増加します。
2026年は、夏商材の需要が4月中に立ち上がる地域が多い見込みです。

Q.2026年の夏は猛暑になりますか?

A.記録的な猛暑となった2023~2025年に匹敵する厳しい暑さとなる可能性があります。
今年の夏は太平洋高気圧が本州付近に張り出しやすく、前年と同様に梅雨入り・梅雨明けが平年より早めで、暑さの到来も早いでしょう。地球の大気全体の気温が高い状態が続いていることから、偏西風の蛇行や太平洋高気圧の張り出しなどの条件が重なった場合、近年に匹敵する顕著な猛暑となる可能性があります。

Q.猛暑になると企業活動にどんな影響がありますか?

A. 夏商材需要の拡大、夏物需要の長期化、冷房需要の増加、物流・労働環境への影響などが考えられます。

プロフェッショナル紹介

小越 久美(おこし くみ) 一般財団法人 日本気象協会 防災・気象DX本部

小越 久美(おこし くみ)

一般財団法人 日本気象協会 防災・気象DX本部 気象DX事業部 シニアデータアナリスト
気象予報士・データ解析士・健康気象アドバイザー・防災士

筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学)卒。
2004年から2013年まで、日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。

現在は日本気象協会の商品需要予測事業にて、食品、日用品、アパレル業界などのマーケティング向け解析や商品の需要予測を行い、さまざまな企業の課題を解決するコンサルティングを行っている。

著書に「かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~」「天気が悪いとカラダもココロも絶不調 低気圧女子の処方せん」がある。