News
日本気象協会、需要予測の導入による経済効果の試算数値を7年ぶりに更新
~気象の影響を受ける食料品・日用品は年間約5,100億円と試算~
2024.10.25
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、気象データを活用した経済効果※1の最新の試算を行いました。
その結果、気象の影響を受ける食料品・日用品への経済効果は年間約5,100億円となることが分かりました。
日本気象協会は気象データを活用した「商品需要予測コンサルティング」で商品の作りすぎ・販売機会ロスの削減に貢献し、企業活動を支援します。
気象データの活用した商品需要予測の経済効果は約5,100億円
日本気象協会は、2017年11月に気象の影響を受ける食料品・日用品等の商品需要予測コンサルティングによる経済効果はおよそ1,800億円と発表しました。
以降、多くの企業のコンサルティングを行い、気象予測を活用した商品需要予測の技術向上に努めてきました。
この度、最新の需要予測技術と各種データをもとに、気象データを活用した売上予測と前年実績を用いた売上予測の比較を行いました。
その結果、気象データの活用によって商品の過剰生産や販売機会の損失が削減されることで、食料品・日用品のカテゴリーにおいて約5,100億円分の経済効果があることが分かりました。

企業では、前年実績を用いて次年度の計画を立てることが一般的です。
日本気象協会の商品需要予測コンサルティングでは、企業の持つ各種データと気象データを照合し解析を行うことで、具体的な売上や数量、商品の売れ始め・ピーク・終売などのタイミングを予測します。
見通しを立てづらいビジネスシーンにおいて、根拠ある意思決定を支えます。
※1 インテージSRI+(全国小売店パネル調査)データに登録のある食料品・日用品等約270カテゴリーをもとに日本気象協会が解析。全国のスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど約6,000店舗での販売実績をもとに推計している。
経済効果が増えた要因
前回(2017年11月発表)の試算では、たとえば「今日は暑いから買おう」といったような当週の気温推移に着目して試算を行いましたが、今回は最新の商品需要予測に関する知見を参考に、当週の気温推移に加えて中期的な気温経過も重視して試算を行いました。
また前回の試算は2010年から2017年までのデータに基づくものでしたが、今回は2017年から2023年のデータに基づき試算を行いました。
この期間の気象を振り返ると、「災害級の猛暑」と警戒が呼びかけられた2018年夏や、記録的な長梅雨となった2020年夏、2018年を上回る猛暑となった2023年夏などの特徴があります。
経済への影響が大きい夏の気温変動が、前回の期間と比較して極端になっていることも、気象データの活用によって経済効果が増えた一因となっています。
なお今回の試算は、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどで取り扱われている食品、飲料、日用雑貨品等のカテゴリーを対象としたものです。
商品需要予測はアパレル、保険などの業種や飲食店等の来客数予測でも活用されているため、実際の経済効果はさらに大きくなる見通しです。
日本気象協会の「商品需要予測コンサルティング」
日本気象協会では2014年から、気象データを活用した商品需要予測コンサルティングを行っています。
商品需要予測コンサルティングでは、高精度な気象データとPOS(販売データ)などのビッグデータを、AIなど最新技術を使い解析することで、未来に必要なモノの量を予測します。
商品需要予測コンサルティングは、企業における製造や販売計画、出荷量の判断をより合理的、効率的に行うことを可能にします。また、情報を複数の部門で活用いただくことでサプライチェーンの効率化を支援し、持続可能な社会の実現に貢献します。
気象は唯一、物理学的手法によって未来を予測できるものです。
日本気象協会は、高度な解析力と高精度な気象予測であらゆる企業活動を支援してまいります。
*2年先長期気象予測の活用による経済効果は「2年先長期気象予測」の活用による食料品・日用品の作りすぎや販売機会ロス削減を試算をご覧ください。
*2024年の冬については2024年冬はラニーニャ現象発生で昨年より厳しい寒さと早い春の到来 冬物商品の需要の増減に注意をご覧ください。