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2024年冬は昨年より厳しい寒さと早い春の到来の可能性 冬物商品の需要の増減に注意

2024.10.08

2024年~2025年にかけての冬は、昨年の2023年~2024年にかけての冬よりも寒くなる予想です。
今シーズンの冬の予報と、需要の高まる商品・ビジネスへの影響を見ていきます。

*観光・宿泊業に影響を与える秋の紅葉については2024年「紅葉見頃予想」(第2回) 見頃は全国的に遅くなる見込み 北日本では昨年より早いところもをご覧ください。

2024年~2025年の冬は昨年よりも寒い

昨シーズン(2023年~2024年)の冬の振り返り

2023年〜2024年の冬(12月〜2月)は、冬型の気圧配置が長続きせず、寒気の流れ込みが弱かった影響で、全国で気温は平年よりかなり高くなり、統計開始以降、冬として第2位の高温を記録しました。

昨シーズンは記録的な暖冬の影響で、ふだん暖かいほど売れる商品(アイスクリームのほか、牛乳、ミネラルウォーターなどの飲料類)の売上が増加し、寒いほど売れる商品(使い捨てカイロ、焼酎や日本酒、殺菌消毒剤、家庭用手袋やハンド&スキンケア、入浴剤など)の売上が減少しました。

2023年~2024年冬の振り返りと暖冬が商品売上に与えた影響

今シーズン(2024年~2025年)の冬の予報

気象庁が2024年9月24日に発表した寒候期予報(2024年12月~2025年2月)によると、この冬は西日本と東日本を中心に冬型の気圧配置が強まり、寒気の影響を受けやすい時期がある見込みです。

気温は全国的に平年並みですが、西日本と東日本では平年より低くなることもあるでしょう。

太平洋側では、降水量は平年並みか平年より少ない見込みです。
一方、東日本と北日本の日本海側では、降水量は平年並みか平年より多く、降雪量(山陰含む)も平年並みか平年より多い予想です。

極端な暖冬となった昨シーズンと比較すると、冬らしい寒さの日が多くなるでしょう。

2024年12月~2025年2月 冬の予報 平年との差
2024年12月~2025年2月 冬の予報 平年との差

今シーズンの冬が昨シーズンよりも寒くなるのは、ラニーニャ現象の影響を大きく受ける予想のためです。ラニーニャ現象が発生している冬は、日本付近では寒冬になりやすいという特徴があります。

ラニーニャ現象発生時の特徴と過去の類似年

ラニーニャ現象(※)が発生すると、日本付近では冬の西高東低の気圧配置が強まり、寒気が南下して気温が低くなり、大雪になる傾向があります。
低気圧が北日本付近で発達しやすいため、荒れた天候になりやすく、低気圧を回るように寒気が西から到来することで、西日本ほど平年よりも寒くなりやすい特徴もあります。

今年は11月頃からこうした特徴が現れやすくなる予想で、暖かい10月から一転して急に冬が近づいたような寒さになるでしょう。
また、冬の終わりから春先に急に気温が上昇することがあるのも、ラニーニャ現象の特徴です。
昨シーズンよりも寒さの厳しい冬の後、一気に気温が上がり、春の到来が早まる可能性もあります。

今シーズンと同様にラニーニャ現象が発生した初年の冬は、直近では2020年~2021年の冬です。
2020年~2021年の冬は、前半に冬型の気圧配置が強まり、度々強い寒気が流れ込みました。一方、2月には一気に暖かくなり、東日本や西日本では気温がかなり高くなりました。

今冬も類似した天候となる可能性があるため、ビジネスでは2020年~2021年の冬のデータを参考にしてみると良いかもしれません。

※ラニーニャ現象:太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象。
【tenki.jp】ラニーニャ現象とは発生時は猛暑や大雪など極端な天気傾向に日本への影響を徹底解説

2024年冬の予報から考えられるビジネスへの影響は?

2024年10月~11月

今年は、10月までは全国的に高温が予想されていて、西日本や東日本では10月になっても10月前半を中心に最高気温30度以上の真夏日になる日がある可能性もありそうです。

ただ、11月になると西日本と東日本では高温傾向が落ち着き、冬型の気圧配置になる日も増えるでしょう。初秋のような暖かさの10月から、晩秋らしい寒さの11月になるため、実際の気温以上に寒く感じる可能性があります。

この急な寒さで、冬物商品の需要が一気に高まる可能性があります。
急な気温低下で需要が高まる商品としては、カイロや入浴剤、ハンド・スキンケアクリーム、ゴム手袋、風邪予防グッズなどがあります。

寒くなり始めた時期に活躍するアイテム

欠品などの機会ロスのないよう、14日先までの急な気温変化や30日先までの気温や天気がわかるビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」などで、予報を確認してください。

2024年12月~2025年1月

記録的な暖冬となった昨年と比べて寒くなるため、昨年使用しなかった冬物商品が使われ、需要が高まる可能性があります。

ダウンコートや手袋などの防寒着は、今シーズンは使用機会が増える可能性があり、日本海側の地域では大雪が降る可能性もあるため、雪かきや融雪剤などの除雪グッズも昨年より需要が高まるでしょう。

2025年2月以降

今シーズンは春の到来が早い見込みのため、冬物商品がとたんに売れなくなる可能性があります。
花粉の飛散開始によるアレルギー対策関連の商品の売上が伸び、制汗剤や日焼け止めクリームなどの夏物商品の立ち上がりも早まりやすいでしょう。

気象予測により、最後の寒波や暖かくなるタイミングをとらえて、冬物商品は早めに売り切るよう、セールの実施やプロモーション等を行うことをお勧めします。

*2025年の花粉については2025年 春の花粉飛散予測(第1回)~西日本は例年の2倍以上の所も 2024年春の飛散量と夏の猛暑が影響~をご覧ください。

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