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2025年の日射量は全国的に「例年並~やや多い」傾向|太陽光発電事業での実績評価と運用に向けた要点

2026.04.27

2025年の日射量は全国的に「例年並~やや多い」傾向となりました。
エネルギー事業において日射量は、太陽光発電出力の大小を決める主要因であり、日射量の傾向を把握することで、より効果的な発電実績の評価が可能となります。

本記事では、太陽光発電事業者や太陽光発電のO&M事業者などが、2025年の発電実績評価を行うにあたって参考となる基礎的な情報を提供します。

本記事のポイント

2025年日射量のポイント

  • 2025年の年間日射量は、全国的に「例年並~やや多い」傾向
  • 地域別には、例年と比べて、北海道や東北日本海側の一部では「やや少ない」傾向、近畿地方の日本海側、山陰、奄美などの一部では「多い」傾向
  • 月別では、例年や前年と比べて、7月などは日射量が多く、4月や10月は低気圧や前線の影響で少ない地点が多数

2025年の日射量の傾向がエネルギー事業に与えた影響

年間日射量は全国的に「例年並」から「やや多い」傾向がみられたことから、発電量の実績も例年を上回る推移であったと見込まれます。
特に7月は、例年よりも30%以上日射量が増加した地点もあり、計画発電量を大きく上回る発電量を記録した太陽光発電所も多かったと考えられます。

目次

日射量に影響する気象的な背景|2025年は記録的な暑さが続いた1年

2025年全体

2025年は、「夏季を中心に高温が続く年」となりました。

*詳細:2025年の天候振り返り|寒冬と猛暑がビジネスに与えた影響とは

日射量に関連する天候の傾向としては、下記があります。

  • 冬(1月頃):冬型の気圧配置が長続きせず、低気圧の影響も受けにくかったことから、一部地域を除き多照傾向
  • 春(4月頃):多雨傾向による日照時間・日射量の寡照傾向
  • 夏(7~8月頃):短梅雨・長期間の記録的猛暑による多照傾向
  • 秋(10月頃):曇りや雨が増えたことによる日射量の寡照傾向

2025年夏のポイント

2025年、日射量が多くなった夏は以下のような特徴がありました。

  • 梅雨入り・梅雨明けが早く、太平洋高気圧が張り出した影響で厳しい暑さが持続
  • 夏(6~8月)として歴代1位の高温
  • 国内最高気温を更新(8月5日には群馬県伊勢崎市で41.8℃)
参考:日本気象協会所属の気象予報士120名を対象とした調査 暑さに関する話題に焦点

日本気象協会は2025年12月、日本気象協会所属の気象予報士120名を対象とした調査をもとに「2025年 今年の天気を表す漢字」、「2025年 気象予報士が驚いた瞬間3選」を発表しています(図1)。

「2025年 今年の天気を表す漢字」では、1位が「酷」、2位が「猛」となり、「2025年 気象予報士が驚いた瞬間3選」に「今年も異例の暑さ」が選ばれるなど、暑さに関する話題が目立つ一年でした。

8月5日には群馬県伊勢崎市で41.8℃を記録し、過去最高気温を更新したことも広く注目されました。さらに、2025年は梅雨入り・梅雨明けともに全国的に早く、梅雨明け後は太平洋高気圧が本州付近へ張り出した影響で、長期間にわたり厳しい暑さが続く夏となりました。

*4月17日、日本気象協会が独自に定めた「酷暑日」が気象庁の予報用語になりました。
【2026年夏】「酷暑日」が気象庁の予報用語に 最高気温40℃以上で企業が行うべき判断とは

2025年の日射量の例年比と前年比

  • 例年※1比:全国的に「例年並」から「やや多い」傾向
  • 前年比:東日本・西日本で日射量が前年より多い傾向、北日本では日本海側を中心に「少ない」~「やや少ない」傾向となった地域も

※1 例年の日射量:過去9年(2016~2024年)の年間日射量の平均値。

2025年の日射量は全国的に例年並からやや多い傾向

図2は、気象衛星データを用いた日射量の推定値(SOLASAT 9-Now)から分析した「2025年の日射量」を例年と比較した図です。
例年よりも日射量が多かった地点を暖色系(赤~黄)、少なかった地点を寒色系(水色~濃青)の色で示しています。

2025年の日射量は、全国的に「例年並」~「やや多い」傾向がみられました。
北海道や東北日本海側の一部では「やや少ない」傾向となった一方、近畿地方の日本海側、山陰、奄美などの一部では「多い」傾向もみられました。

【日本気象協会】2025年の日射量(例年比)
図2 2025年の日射量(例年比)

前年比では東日本・西日本で日射量が増加

図3は、2025年の日射量を前年(2024年)と比較した図です。
前年よりも日射量が多かった地点を暖色系(赤~黄)、少なかった地点を寒色系(水色~濃青)の色で示しています。

2025年の日射量は、前年(2024年)と比較して、東日本、西日本の大部分で、「やや多い」傾向となりました。一方、北日本では「少ない」~「やや少ない」傾向となった地域もみられました。

【日本気象協会】2025年の日射量(前年比)
図3 2025年の日射量(前年比)

地域別にみる2025年の日射量の特徴

地域別2025年日射量のポイント

【例年比】

  • 全国的に「例年並」~「やや多い」傾向
  • 近畿地方日本海側、山陰、奄美地方:「やや多い」~「多い」傾向
  • 北海道日本海側、東北日本海側:「やや少ない」~「例年並」の傾向

【前年比】

  • 北海道:「やや少ない」~「前年並」
  • 北海道以外の地域:概ね「やや多い」~「多い」

地域別2025年日射量の詳細

詳しくは、表1に「2025年の日射量」の地域別の傾向をまとめています。

表1は日照時間を観測しているアメダス約840地点※2での日射量の推定値を基に分析した結果です。
表中のピンク色は例年※3または前年(2024年)の日射量と比べて「やや多い」「多い」地域、水色は「やや少ない」地域、白色は例年並(または前年並)を示しています。

※2 日照時間の推定値の地点を含む。

※3 例年の日射量:過去9年(2016~2024年)の年間日射量の平均値。

表1 2025年の日射量
区分 対象地域 例年(2016~2024年)
との比較
前年(2024年)
との比較
北日本 北海道 日本海側 やや少ない~並 やや少ない~並
太平洋側 並~やや多い やや少ない~並
オホーツク海側 並~やや多い やや少ない~並
東北 日本海側 やや少ない~並 やや少ない~やや多い
太平洋側 並~やや多い やや少ない~やや多い
東日本 関東甲信 並~やや多い 並~やや多い
東海 並~やや多い 並~やや多い
北陸 並~やや多い やや多い~多い
西日本 近畿 日本海側 やや多い~多い やや多い~多い
太平洋側 やや多い やや多い~多い
中国 山陽 やや多い やや多い
山陰 やや多い~多い やや多い
四国 やや多い やや多い
九州 九州北部 やや多い やや多い~多い
九州南部 並~やや多い 並~やや多い
沖縄・奄美 奄美 やや多い~多い やや多い
沖縄 並~やや多い 並~やや多い

2025年の日射量は、例年と比較して、全国的に「例年並」~「やや多い」傾向がみられました。特に、近畿地方日本海側、山陰、奄美地方では、「やや多い」~「多い」傾向となりました。

その一方で、北海道日本海側、東北日本海側では「やや少ない」~「例年並」の傾向となりました。

また、前年と比較すると、2025年は北海道で「やや少ない」~「前年並」、その他の地域では、「やや多い」~「多い」地域が多くなりました。

2025年の日射量 月変化

全国の主要都市10地点を対象とした日射量の月変化(2025年、前年、例年)を図4に示します。
例年と比べて特徴がみられた1月、4月、7月~8月、10月について、気象状況や日射量の特徴を振り返ります。

1月

冬型の気圧配置が長続きせず、低気圧の影響も受けにくかったことから、一部地域を除き、多照傾向でした。
西日本太平洋側では、月間日照時間が1946年の統計開始以降で最も多くなりました。また、大阪では例年と比較して、月平均日射量が1.21倍となりました。

4月

低気圧が北日本を通過しやすく、北日本では曇りや雨の日が多くなりました。
このため、例年と比較して、月平均日射量は、札幌で0.82倍、仙台で0.84倍となりました。

7月~8月

偏西風が例年より北に位置した影響で、太平洋高気圧の暖かい空気に覆われやすく、晴れて気温の高い日が多くなりました。
7月の月平均気温は、沖縄奄美を除いて、1946年の統計開始以降1位の顕著な高温となりました。
8月5日には、関東地方を中心に気温が上昇し、群馬県の伊勢崎で41.8℃を記録して日本国内の観測史上最高気温を更新するなど、14地点で40℃以上の最高気温が観測されました。
梅雨明けが早く、晴れた日が多かったことから、7月の月平均日射量は本州・四国・九州を中心に多く、例年と比較して、仙台で1.32倍、東京、富山で1.30倍、広島で1.37倍、福岡で1.31倍となりました。

10月

低気圧や秋雨前線の影響により、東日本や西日本では、曇りや雨の日が多くなりました。このため、例年と比較して、月平均日射量は、東京で0.82倍、名古屋で0.80倍となりました。

【日本気象協会】2025年の日射量(札幌)
図4(a) 札幌
【日本気象協会】2025年の日射量(仙台)
図4(b) 仙台
【日本気象協会】2025年の日射量(東京)
図4(c) 東京
【日本気象協会】2025年の日射量(富山)
図4(d) 富山
【日本気象協会】2025年の日射量(名古屋)
図4(e) 名古屋
【日本気象協会】2025年の日射量(大阪)
図4(f) 大阪
【日本気象協会】2025年の日射量(広島)
図4(g) 広島
【日本気象協会】2025年の日射量(高松)
図4(h) 高松
【日本気象協会】2025年の日射量(福岡)
図4(i) 福岡
【日本気象協会】2025年の日射量(那覇)
図4(j) 那覇

図4 主要都市における日射量の月変化(2025年・前年・例年)

※本記事内の年間日射量の比較に関する用語

区分 基準
かなり多い 例年(前年)の110%以上
多い 例年(前年)の106~110%
やや多い 例年(前年)の102~106%
例年(前年)の98~102%
やや少ない 例年(前年)の94~98%
少ない 例年(前年)の90~94%
かなり少ない 例年(前年)の90%未満

2025年の日射量の傾向がエネルギー事業に与えた影響(詳細)

2025年は全国的に年間日射量が「例年並」から「やや多い」傾向となったことから、太陽光発電量の実績も例年を上回る水準で推移したと考えられます。
そのため、多くの発電事業において、事業計画時の見積りを上回る発電量であったことが見込まれます。

一方で、月別・地域別に見ると日射量の傾向はそれぞれ異なるため、太陽光発電事業者や太陽光発電のO&M事業者などが、2025年の発電実績評価や太陽光発電所の運用監視、故障診断などを行う場合には、詳細な日射量の推定情報を活用することが有効です。

年による日射量の傾向の違いへの対応|日本気象協会の太陽光発電事業者向けサービスについて

日本気象協会では、本記事のデータ元となる「ひまわり8・9号による水平解像度0.5kmメッシュの日射量推定サービス(SOLASAT 9-Now)」を提供しています。SOLASAT 9-Nowのデータを活用することで、より正確な発電実績評価や太陽光発電所の故障診断が可能です。

なお、上記の日射量の推定情報以外にも、電力の需給運用、蓄電池制御、発電販売計画の作成などに必要な日射量予測や太陽光発電出力予測を展開しています。詳しくは、お問い合わせください。

ひまわり8・9号による日射量推定サービス(SOLASAT 9-Now)

「SOLASAT 9-Now(ソラサットナインナウ)」は、気象衛星ひまわり8・9号※5の衛星画像を用いて、任意地点の日射量推定データを提供するサービスです。(2.5分毎更新、水平解像度0.5km)

過去10年以上の特定の時刻の日射量データ(図5)や、10年平均値などの統計データ(図6)についても整備しています。

【日本気象協会】SOLASAT 9-Nowによる特定の時刻の日射量分布の例
図5 SOLASAT 9-Nowによる特定の時刻の日射量分布の例
【日本気象協会】SOLASAT 9-Nowによる10年平均の日平均日射量の月平均値の例(左:1月、右:8月)
図6 SOLASAT 9-Nowによる10年平均の日平均日射量の月平均値の例
(左:1月、右:8月)

※5 ひまわり9号:気象庁による衛星観測の運用切り替えに伴い、2022年12月13日14時よりひまわり8号からひまわり9号に変更となりました。これらの観測衛星の性能は実質的に同等です。

ひまわり8・9号データによる日射量予測サービス(SOLASAT 9-Nowcast)

「SOLASAT 9-Nowcast(ソラサットナインナウキャスト)」は、気象衛星ひまわり8・9号の衛星データを用いて、日射量の短時間予測データを提供するサービスです。
「SOLASAT 9-Nowcast」では、ひまわり8・9号の観測データから推定される日射量(SOLASAT 9-Now)をもとに、5分ごと、3時間半先までの日射量を0.5kmメッシュで予測します。

日射量・太陽光発電出力予測サービス(SYNFOS-solar)

「SYNFOS-solar(シンフォスソーラー)」は、独自気象モデルによる高精度な日射量・太陽光発電出力予測サービスです。
「SYNFOS-solar」では、30分ごとの日射量・太陽光発電出力を78時間先まで予測します。
予測値の面的な統計補正により、電力エリアごとの日射量分布予測(メッシュ予測)も提供可能です。独自技術(気象モデルの改良・予測値の統計補正)を組み合わせることで、予測の高精度化を実現します。

これらの推定・予測情報は、日射量・太陽光発電出力の遠隔監視、故障診断(O&M事業)、発電計画の作成に加え、自家消費型太陽光発電設備へのPPAモデル導入検討や蓄電池の効率的な運用計画策定、大学や研究機関での研究など、太陽光発電事業に関わる幅広い分野で活用されています。

*夏全体の傾向
2026年夏は暑い?猛暑予想といつから暑くなるかを解説

*今年の夏のエネルギー業への影響は?
2026年夏の天気予報とエネルギー事業への影響|猛暑・再エネ発電・台風リスクを解説

<過去発表した「年間日射量」の傾向資料>

2015年 / 2016年 / 2017年 / 2018年 / 2019年 / 2020年 / 2021年 / 2022年 / 2023年/ 2024年

プロフェッショナル紹介

宇都宮 健志(うつのみや けんじ)一般財団法人 日本気象協会 環境・エネルギー本部 エネルギー事業部 再生可能エネルギー事業課

宇都宮 健志(うつのみや けんじ)

一般財団法人 日本気象協会 環境・エネルギー本部 エネルギー事業部 再生可能エネルギー事業課 グループリーダー
気象予報士

名古屋大学大学院工学研究科(社会基盤工学専攻)
修士課程修了

日射や太陽光関連のデータ解析、技術開発、コンサルタント業務に従事している。

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