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暖冬でも東京で大雪、その理由と日本気象協会の「降雪確率API」の予測結果
2024.02.19
2月5日から6日にかけて、関東、北陸、東北南部を中心に雪が降り、関東平野部でも雪が積もり、東京都心では日降雪量9cmの大雪となりました。
首都圏の交通機関では通行止めや運休など、物流や人流に大きな影響を与えました。
大雪となった理由と、ビジネスへの影響を最小限に抑えるための対策についてお伝えします。
2月5日から6日にかけての大雪
2月5日午後から6日未明にかけて、東京都心を含む関東、北陸、東北南部の広範囲で雪となり、東京で日降雪量9cm(最深積雪深は8cm)を観測しました。
2月5日夜には東京都23区全域に大雪警報が発表され、警戒が呼びかけられました。
東京都の大雪警報の発表基準は12時間で10cmの降雪が予想された場合(多摩西部のみ20cm/12hの降雪予想で発表)のため、東京都心は警報基準の積雪深には達しませんでしたが、東京近郊では10cmを超える積雪となり、各地で翌日以降も雪が残りました。
大雪の影響
2月5日午前には、国土交通省と気象庁から雪の見通しと注意点の説明がありました。
大雪の予報を受けて、東名高速、関越道、東北道、首都高速道路、関東の国道などで雪による事故や立ち往生を防ぐため、2月5日~2月7日にかけて「予防的通行止め」が行われました。
この影響で、物流にも遅延等の影響があり、コンビニやスーパーへの商品配送や、荷物・郵便物の配達の遅れなどが発生しました。
また、2月5日~2月6日にかけて鉄道や空の便、高速バス では遅れや運休・欠航が発生し、通勤・通学、出張・観光など人流にも影響がありました。
大雪の理由
この大雪をもたらしたのは、南岸低気圧です。
南岸低気圧は、本州の南岸を発達しながら東~北東に進んでいく低気圧を指します。
冬の終わりに多く、南岸低気圧が日本付近を通過する時、日本列島の太平洋側を中心にまとまった雨や雪を降らせる特徴があります。
2月5日の関東地方を中心とした大雪は、南岸低気圧が陸地に近いところを発達しながら通過したため降水量が多かったことと、上空の寒気が強かったことが主な原因です。
関東の平地で雪が降るかどうかは、低気圧のコースや、わずかな気温、湿度の差によって変わるため、非常に予測が難しく、気象庁からの大雪に関する情報が発表されるのも直前になってからです。
ビジネスへの影響を抑えるためには
今回の大雪では、物流や人流に大きな影響がありました。
事前に雪が降ることやどれくらい積もるかがわかっていると、商品発注・入荷、商品配送、人員調整などが行いやすくなります。
気象災害リスク予測API
Weather Data APIの「気象災害リスク予測API」では、2週間先までの24時間降雪量が1cm、3cm、5cm、10cmとなる確率を1kmメッシュでピンポイントにお知らせします。
(時別は1時間降雪量が1cm、3cm、5cmとなる確率を72時間先まで)
店舗や工場などで影響の出る降雪量となる確率が事前にわかるため、あらかじめそのことを念頭に入れて商品や人員の調整をすることができます。
今回の大雪で、気象災害リスク予測APIの24時間で1cm以上の雪が降る確率は、14日前時点で東京周辺は1~5%とやや可能性が見えており、10日前頃から5~20%に確率が上がり始め、5日前には20%~50%と高い確率となっていました。
また、5cm以上の降雪がある確率は、6日前時点では1~5%と低く予測されていましたが、5日前から10~50%の高い確率となり、4日前には広範囲で50%以上のかなり高い確率となっていました。
*1kmメッシュで任意地点の高精度な気象データ(過去実況値、気象予測)を取得できる天気予報API「Weather Data API」についてはこちらをご覧ください。
*Weather Data APIの「気象災害リスク予測API」についてはこちらをご覧ください。
そのほかの気象予測サービス
- 気象予測配信サービス
気象予測配信サービスをご契約の皆さまには、南岸低気圧による都市部での降雪のほか、急な気温の上昇、低下、台風の上陸などが予測される際に、臨時で情報を配信しています。(配信は不定期)
実況から直近の予測、長期の予報までお客さまのニーズに合わせて予報をお届けしますので、気になるものございましたら、お問い合わせください。 - GoStopマネジメントシステム
GoStopマネジメントシステムは気象状況が輸送手段に与える輸送影響リスク情報を提供し、物流業務において命と荷物を守る判断をサポートするWEBサービスです。悪天候の最大6日前から、地図や表により輸送影響リスクを提供します。
詳しくは【日本気象協会】物流向け 道路ごとの天気予報GoStopマネジメントシステムをご覧ください。
この先も、暖冬傾向は続き、春の訪れも早くなることが予想されています。
天気予報を活用して、ビジネスにおけるロスを減らしていきましょう。
*この春については「2024年春は高温傾向例年より早く夏物アイテムの需要が増加する見通し」をご覧ください。