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2025-26年冬の電力市場価格を振り返る ―寒波でなぜ高騰?1月下旬の価格上昇とその要因を解説

2026.03.12

2025-26年冬の電力市場価格は比較的安定していたものの、1月下旬を中心に全国的に価格が高い水準で推移する場面がみられました。

背景には、寒波による暖房需要の増加に加え、再生可能エネルギー出力の変動や燃料価格の上昇といった複数の要因が考えられます。

本記事では電力市場価格の実績データをもとに、その要因を整理します。

目次

2025-26年冬の電力市場価格の動き

2025-26年冬は、1月下旬を中心に全国的にスポット市場取引価格が高い水準で推移する場面がみられました。
とくに1月後半は寒波による気温低下で電力需要が増加し、価格が上昇する動きが確認されました。

スポット市場の取引価格は需給バランスや発電コストを反映し、30分単位で決定されます。
一般的に、電力需要が増加し供給余力が小さくなると、市場価格は上昇しやすくなります。

実際に、1月19~23日にかけては冬本番の冷え込みが強まり、電力需要の増加を背景に価格が高めに推移しました。

加えて、世界的な燃料需要の高まりを背景に燃料価格がやや上昇傾向にあったことも市場価格に影響したと考えられます。
さらに、曇天や降雪の影響を受け、太陽光発電出力が伸び悩む日も多く、供給側の余力が限定的となったことで電力需給がひっ迫し、価格が上向きやすい状況が続きました。

その後、1月26~30日にかけては寒気の流入により依然として需要水準は高く、加えて再エネ出力も変動し、需給面での不安定さが市場価格に反映されたと考えられます。

また、地域別にみると、北海道エリアでは他エリアと比較し、価格変動の大きい日がみられた点も特徴です。需要の増加や再エネ出力の影響を受けた可能性があると考えられます。

冬季の電力市場価格はなぜ動きやすいのか

電力市場取引価格の変動要因には主に

  1. 電力需要
  2. 再エネ発電量
  3. 燃料価格の変動
  4. 送電網の容量制約

があります。(※詳細:電力市場について

冬季は特に1.電力需要(暖房需要の急増)、2.再エネ発電量(特に太陽光)、3.燃料価格の変動(上昇)の影響が大きくなりやすい傾向にあります。

1.電力需要(暖房需要)の急増|寒波襲来時

気温が低下すると電力需要は増加し、とくに寒波到来時には暖房機器の稼働が一段と増えることで需要が急増します。
さらに積雪地域では融雪設備の稼働も加わり、需要を押し上げる要因となります。
こうした需要の増加に対して供給余力が限られると、電力需給がひっ迫し、市場価格は上昇しやすくなります。

2.再生可能エネルギー発電量の変動|特に太陽光

冬季は日照時間が短く太陽高度も低いため、他の季節と比べて太陽光発電出力は低下しやすい傾向があります。
さらに天候が悪化すれば発電出力は一段と低下します。寒波時には「寒さによる需要増」に加えて、「曇天・降雪による太陽光発電出力の減少」が同時に発生することがあり、需要増と供給減が重なることで市場価格の変動幅は拡大しやすくなります。

3.燃料価格の影響

燃料価格の変動は市場価格に大きく影響します。燃料価格が上昇すると発電コストも増加し、市場価格の上昇につながります。
冬季は世界的な燃料需要の高まりや地政学的要因の影響を受けやすく、こうした燃料市況の変動も価格変動要因の一つとなります。

2026年1月下旬に価格上昇が起こった理由

1月下旬の市場価格の上昇は、単一の要因によるものではなく、

  • 寒波による需要増
  • 再エネ出力の変動
  • 燃料価格の影響

といった複数の要因が重なった結果と考えられます。

冬の価格変動リスクは今後も続くのか

再生可能エネルギーの普及に伴い、その出力変動は従来よりも市場価格に影響しやすくなっています。
また、気温の振れ幅が大きい年には需要変動も拡大する傾向があります。
さらに燃料市況は国際情勢や為替動向に左右されやすく、不確実性を内包しています。

これらを踏まえると、冬季の市場価格の変動は一時的ではなく、今後も繰り返し発生する可能性があります。

冬季の電力価格変動リスクにどう備えるか

需給管理や調達判断を担う部門にとって、冬季の価格変動は事業収支に直結する重要なリスク要因です。

とくに次の観点が重要になります。

  • 寒波などの気象リスクを中長期的に把握すること
  • 市場価格の変動リスクを事前に評価すること
  • 再エネ出力の変動可能性を踏まえた需給管理を行うこと

このような冬季特有の価格変動リスクに対応するためには、気象情報と電力市場の動向を踏まえた分析が重要になります。

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FAQ|よくある質問

Q.なぜ冬は電力市場価格が上昇しやすいのですか?

A.冬は寒波による暖房需要の増加に加え、太陽光発電の出力が低下しやすく、需給がひっ迫しやすい季節です。
需要増と供給減が同時に発生すると、電力市場価格は上昇しやすくなります。

Q.寒波は電力市場価格にどの程度影響しますか?

A.寒波による気温低下は暖房需要を増加させるため、電力需要の増加要因になります。
そのため、需給余力が小さい状況では、寒波の到来が電力市場価格の上昇につながることがあります。

Q.冬の電力価格変動に備えるには何が重要ですか?

A.冬の電力市場では、

  • 気温変動(寒波)
  • 再生可能エネルギー出力
  • 燃料価格

といった要因を総合的に把握することが重要です。

気象情報と市場動向を組み合わせてリスクを評価することが、需給管理や調達判断に役立ちます。
日本気象協会では、電力市場取引価格予測や再生可能エネルギーの出力予測など、エネルギー分野に関わる情報提供・コンサルティングを実施しています。