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2026年夏から秋の気象リスク|電力需要・太陽光・風力発電への影響

2026.07.06

2026年夏から秋にかけては、7月・8月を中心に冷房需要が高まりやすく、9月以降も湿った空気や台風接近、不安定な天候により、電力需給管理や発電計画に影響が出る可能性があります。

エネルギー事業における2026年夏から秋のポイントは、以下の3点です。

  • 高温による電力需要の増加(特に7月・8月)
  • 台風や落雷による風力発電停止や設備への影響
  • 降雨や不安定な天候による太陽光発電量の変動

本記事では、2026年夏から秋の天候見通しをもとに、高温多湿による電力需要の変化、太陽光発電や風力発電への影響など、エネルギー事業に関係する主なポイントを整理します。

目次

夏から秋にかけて電力需要・再エネ運用で発生しやすい気象リスク

電力需要|夏の高温・秋の残暑で冷房需要が高まりやすい

夏は冷房需要の増加に伴って電力需要が増大します。特に7月から8月は最高気温が35℃以上の「猛暑日」が長期間・広範囲で出現することも多く、近年では最高気温が40℃以上の「酷暑日」も珍しいことではなくなってきました。

夏は、厳しい暑さによって全国的に電力需要が高まり、需給が逼迫しやすい時期にあたります。日中に蓄積された熱が夜間の高温にもつながり、昼夜を問わず冷房需要が高いことも特徴の一つです。

気象庁の定義では9月から秋がスタートしますが、実際は9月でも真夏と同様の暑さになることがあり、冷房需要の高い状態が続きます。特に2023年から2025年は猛暑がなかなか収まらず、過去の統計と比較しても、9月の全国平均気温が極端に高い状態となりました。

【日本気象協会】9月の平均気温の平年値からの差

10月には気温の低下に伴い、電力需要も減っていきます。

7月から9月頃までの高温多湿や夜間の高温が見込まれる期間は、電力需要のピーク、予備力、調達量の見通しを早めに確認する必要があります。

太陽光発電|秋雨前線や不安定な天候で日射量が変動しやすい

9月は夏の晴天をもたらす太平洋高気圧が徐々に弱まり、秋雨前線の停滞によって、長雨による日射量の低下や、不安定な天候による日射量の急変が生じやすい時期でもあります。

この時期は、日射量の低下や急変を踏まえ、発電見通しや需給計画を見直す必要があります。

風力発電・設備管理|台風・落雷・突風による運用リスクに注意

9月は夏の晴天をもたらす太平洋高気圧が徐々に弱まり、大気がさらに不安定となって、「落雷」や「竜巻」などの突風といった、設備故障につながる現象が多いことも特徴です。

10月には気温の低下に伴い、電力需要も減っていきますが、猛暑がおさまっても「台風」の襲来には注意が必要です。台風の接近数(平年値)は8月から9月にピークを迎え、10月も年間で4番目に多い時期にあたります。風力発電や電力設備の運用リスク、停電リスクを考慮した需給運用が必要です。

2026年夏から秋に特に注意したい天候のポイント

エネルギー事業の観点から、2026年夏から秋に注目すべき気象要素は、次の3点です。

  • 気温(7月から8月を中心に高温傾向)
  • 台風(接近数が増加)
  • 日射量(安定した晴天が少ない)

気温|7月・8月は高温傾向、9月も蒸し暑さによる需要増に注意

気象庁の3か月予報(2026年6月23日発表)によると、7月・8月は全国的に平年よりも気温が高く、「高温」傾向が見込まれています。8月までは猛暑をもたらす太平洋高気圧の勢力がやや強く、今年も冷房需要の高止まりに注意が必要です。

一方、9月には西日本から北日本を中心に「平年並み」に落ち着く見通しで、ここ数年とは異なり、真夏のような暑さが9月まで長引かない可能性が出てきています。ただし、湿った空気の影響を受けやすく、蒸し暑さを感じやすいことで冷房や除湿器の利用が増え、電力需要がやや多くなる可能性があります。

【日本気象協会】7月~9月の平均気温(平年との差)

台風接近数|秋にかけて接近しやすく、強風・大雨・落雷による設備影響に注意

2026年は、夏の後半から秋にかけて台風の接近数が増え、また、発達した状態で接近するおそれがあるため、強風や大雨を通じて風力発電設備や送配電設備、関連インフラにも影響を及ぼす可能性があります。

加えて台風の接近時には、日本付近に台風周辺の湿った空気が流れ込むことで、最接近の数日前から「落雷」が発生しやすくなります。落雷や突風による設備故障など、電力供給に影響を及ぼすリスクも考えられます。

*2026年の詳しい台風傾向については、2026年の台風傾向 8月は日本列島への接近に注意、秋は発達した台風の影響もをご覧ください。

日射量|晴天が長続きしにくく、短時間の変動が発電計画に影響

夏の後半からは太平洋高気圧の弱まりや台風接近に伴って晴天が長続きせず、日射量が不安定になる可能性があります。急な積乱雲も発生しやすく、短時間で日射量が大きく変動して、発電計画の策定などにも影響することが懸念されます。

夏から秋の需給リスク低減に活用できる日本気象協会のサービス

夏から秋は冷房使用によって電力需要が増加しやすく、台風や落雷などにより発電設備の故障・損傷リスクも高まる時期です。電力需給リスクを低減するためには、気象の変化を先読みし、需給管理や発電計画に反映する仕組みが不可欠です。

日本気象協会では、課題に合わせて、高精度な気象予測・解析技術を活用したエネルギーマネジメントサービスを提供しています。

課題 活用しやすいサービス
気温や天気の変化による電力需要増を事前に把握したい 電力需要予測
気象条件の変化による電力市場価格への影響を見通したい プライス予測
太陽光発電出力・風力発電出力・落雷リスクなどをAPIで取得したい ENeAPI
台風進路について、詳しい情報を早めに把握したい シナリオ型台風予測情報

電力需要予測 *日本気象協会コーポレートサイトへ

電力需要は気温や湿度、日射量、降水など、さまざまな気象要素の影響を大きく受けます。
日本気象協会では、過去の電力需要の特徴を気象条件や社会活動などの変動要因に基づいて解析し、AIを含む高度なデータ分析技術を組み合わせ、高精度な電力需要予測を提供します。さらに気象の専門家(気象予報士)によるコンサルティングを通じて、日々の需給運用を支援します。(ENeAPIでは、WebAPI形式で電力需要予測の提供を行っています)

プライス予測(電力取引価格予測)

気象条件の変化による電力需要や再生可能エネルギー発電量の変動は、電力取引価格の変動にもつながります。特にスポット市場では、前日時点で翌日の取引価格を決定する必要があるため、翌日の気象条件を正確に把握することが重要です。
日本気象協会では、気象ビッグデータとAIによる解析技術を駆使した高精度な電力取引価格予測を提供することで、翌日受渡分から最大31日先受渡分までの電力取引価格を予測します。戦略的な発電・調達・充放電計画を可能にし、エネルギー事業者様の収益の最大化と事業の安定運用を支援します。

エネルギー事業者様向けAPIサービス ENeAPI

ENeAPIは、エネルギー事業向けの気象情報をWebAPI形式で提供するサービスです。
「太陽光API」では日射量や太陽光発電出力の推定・予測情報を提供します。正確な発電販売計画の作成支援や、太陽光発電設備の保守・運用計画の策定に役立ちます。
「風力API」では風向風速の実況・推定値や風向風速、風力発電出力の予測情報を提供します。陸上風力および洋上風力の計画・設計、導入後の維持・管理といった、風力発電事業全般をサポートします。
「リスク情報API」では雷活動度や落雷位置など、気象災害リスクを把握できる情報を提供します。こうした情報をいち早く掴むことで、設備故障リスクの事前把握や、保守点検作業の実施可否判断などにつなげることができます。

シナリオ型台風予測情報

台風の進路予測には不確実性があります。特に、台風が日本列島へ接近する可能性がある場合、進路が少し変わるだけでも、影響を受ける地域や時間帯、想定される雨・風の強さが変わります。
「シナリオ型台風予測情報」では、台風予測を従来のような1つの予報円ではなく、複数のシナリオ(進路予測)と、それぞれの確率の高さを提供します。予報円だけでは把握しづらい台風接近確率の高さを前もって知ることで、早い時点からの災害対応の準備が可能になります。

詳しいサービス内容や導入方法については、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

2026年夏(7月から8月)は「高温」による電力需要の高まりが見込まれます。また、夏から秋を通して台風による電力設備への影響や、不安定な天候による日射量の変動にも注意が必要です。

さまざまな気象データからこのようなリスクを事前に把握し、効率的な需給管理や発電計画の策定を行うことが重要となります。
日本気象協会の「電力需要予測」、「プライス予測(電力取引価格予測)」、「エネルギー事業者様向けAPIサービス ENeAPI」、「シナリオ型台風予測情報」を活用することで、気象変化を踏まえた需給管理や再エネ運用の高度化につなげることができます。

FAQ|よくある質問

Q1. 夏から秋の天候はエネルギーマネジメントにどのような影響がありますか?

A. 夏は高温による電力需要の増加、高止まりが見込まれます。また、夏から秋を通して台風の影響を受けやすく、風力発電や電力設備の運用リスク、停電リスクも高まるおそれがあります。晴天が続きにくいこともあり、日射量の不安定化や落雷・突風による設備故障にも注意が必要です。

Q2. 天候の変化によるエネルギー需給リスクに対応するためにはどのような方法がありますか?

A. 日本気象協会では、気象予測を活用したエネルギー事業者向けのサービスを幅広く提供しています。

  • 電力需要予測: 気象予報士のノウハウと人工知能(AI)・機械学習の解析技術を組み合わせ、高精度な電力需要予測サービスを提供します。
  • プライス予測(電力取引価格予測):独自の気象予測データと人工知能(AI)による解析技術を組み合わせ、翌日受渡分から最大31日先受渡分までの電力取引価格予測サービスを提供します。
  • エネルギー事業者様向けAPIサービス ENeAPI:エネルギー事業向けの気象情報をWebAPI形式で提供するサービスです。日射量・太陽光発電出力予測、風向風速・風力発電出力予測、電力需要予測、電力取引価格予測など、エネルギー事業者様向けに高精度で多様な気象情報を取り揃えています。
  • シナリオ型台風予測情報:従来の予報円だけでは把握できない複数の台風予測シナリオや、各シナリオの確率の高さを提供可能です。
Q3. 夏の猛暑、秋の残暑は電力需要にどの程度影響しますか?

A. 夏の猛暑や秋の残暑は、冷房需要を高めることで電力需要の増加につながります。特に7月・8月は最高気温35℃以上の「猛暑日」が長期間・広範囲で出現することがあり、全国的に電力需要が高まりやすい時期です。9月も真夏と同様の暑さになる場合は、冷房需要の高い状態が続く可能性があります。

Q4. 夜間の高温は電力需要にどのような影響がありますか?

A. 日中に蓄積された熱は夜間の高温にもつながります。夜間の気温が下がりにくい場合、昼夜を問わず冷房需要が高い状態となり、電力需要が減りにくくなる可能性があります。

Q5. 夏から秋の電力需給はどのような時にひっ迫しやすいですか?

A. 夏から秋の電力需給は、高温によって冷房需要が増える時期にひっ迫しやすくなります。特に7月・8月は厳しい暑さによって全国的に電力需要が高まりやすい時期です。加えて、台風や落雷による設備影響、不安定な天候による日射量の変動は、需給管理や発電計画に影響する可能性があります。

Q6. 台風は太陽光発電にどのような影響を与えますか?

A. 台風接近時は、太平洋高気圧の弱まりや降雨、不安定な天候により晴天が長続きしにくく、日射量が不安定になる可能性があります。日射量の低下や短時間の変動は、太陽光発電量の見通しや発電計画に影響します。

Q7. 台風は風力発電にどのような影響を与えますか?

A. 台風は、強風や大雨を通じて風力発電設備や送配電設備、関連インフラに影響を及ぼす可能性があります。また、台風接近時には落雷や突風による設備故障リスクも考えられるため、風力発電や電力設備の運用リスク、停電リスクを考慮した需給運用が必要です。