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2025年夏の猛暑と短梅雨をデータで振り返る|秋冬の予報と企業が取るべき対策

2025.10.01

この記事の概要

2025年夏(6~8月)は梅雨明けが記録的に早く、日本の平均気温は過去2年(2023年・2024年)を上回り、観測史上最高を記録する顕著な猛暑となりました。

今後の天候は、10月頃まで高温傾向が継続するものの、その後はいっきに気温が低下するタイミングがあり、真冬並みの寒さが前倒しで到来する可能性があります。
12月以降、日本海側を中心に大雪に注意が必要となるでしょう。

ビジネスにおいては、2025年の夏は早く長い猛暑の到来によって商品需要やエネルギー需要に影響があったのではないでしょうか。

気象の変化が顕著となる昨今、効率的で安定した資材・原材料の調達・需給・在庫計画、運営計画には、高精度な気象データの活用が不可欠です。

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2025年夏の振り返り:短い梅雨、猛暑の全体像

2025年夏の特徴

  • 春から夏にかけての季節の進みが早く、東北地方を除き5月に梅雨入り、6月に梅雨明けとなり、多くの地方で最も早い梅雨明けの記録となった。
  • 早い梅雨明けの影響もあり、北・東・西日本では6月と7月、および夏(6~8月)として歴代1位の高温となった。日本の平均気温は平年差+2.36℃、過去2年(2023年・2024年)の+1.76℃を上回り、3年連続で最も高い値を記録した。

早い梅雨入りと梅雨明け

2025年は春から夏にかけての季節の進みが早く、東北地方を除き5月に梅雨入り、6月に梅雨明けとなり、多くの地方で最も早い梅雨明けとなりました。

水色のセル:平年より3日以上早い
ピンク色のセル:平年より3日以上遅い
下二重線:1951年以降で最も早い記録(タイ記録を含む)

地方 梅雨入り 梅雨明け
2025年確定値 平年値 2025年確定値 平年値
沖縄 5月5日頃 5月10日頃 6月7日頃 6月21日頃
奄美 5月5日頃 5月12日頃 6月9日頃 6月29日頃
九州南部 5月16日頃 5月30日頃 6月27日頃 7月15日頃
九州北部 5月16日頃 6月4日頃 6月27日頃 7月19日頃
四国 5月17日頃 6月5日頃 6月27日頃 7月17日頃
中国 5月16日頃 6月6日頃 6月27日頃 7月19日頃
近畿 5月17日頃 6月6日頃 6月27日頃 7月19日頃
東海 5月17日頃 6月6日頃 6月27日頃 7月19日頃
関東甲信 5月22日頃 6月7日頃 6月28日頃 7月19日頃
北陸 5月22日頃 6月11日頃 6月29日頃 7月23日頃
東北南部 6月23日頃 6月12日頃 7月18日頃 7月24日頃
東北北部 6月23日頃 6月15日頃 7月18日頃 7月28日頃

【気象庁】2025年の梅雨入り・明け及び夏(6~8月)の記録的高温についてより日本気象協会にて作成

2025年夏の日本の平均気温

早い梅雨明けで季節の進みが早まった影響もあり、2025年の夏は早い時期から暑さが続きました。北・東・西日本では6月と7月、および夏(6~8月)として歴代1位の高温となりました。

2025年夏(6〜8月)の日本の平均気温は平年差+2.36℃、これまで最も高かった過去2年(2023年・2024年)の+1.76℃を上回り、観測史上最高となりました。

日本の夏の平均気温の基準値(1991~2020年の30年平均値)からの差(1898〜2025年)

これまでの最高気温を更新した地点も多く、8月5日には群馬県伊勢崎で最高気温41.8℃を記録し、国内最高気温を更新しました。
また、40℃以上の地点数の積算(30地点)と、猛暑日の地点数の積算(9385地点)も歴代最多となりました。

2010年以降の夏の猛暑日と日最高気温40℃以上の延べ地点数

【気象庁】令和7年夏の記録的な高温と7月の少雨の特徴およびその要因等についてより

早い梅雨入り・梅雨明けとなり、早い時期からの高温・多照となった一方で、8月前半には前線の活動が活発になった時期があり、北陸地方や九州地方を中心に記録的な大雨となったところもありました。

なお、日本気象協会では2024年12月に公開したウェザーマーケティングレポート2025年の天気傾向 冬は寒冬で春の訪れが早く、夏は猛暑のメリハリ型かにて、2025年夏を「梅雨明け早めで猛暑 戻り梅雨に注意」と予想していました。
梅雨前線の北上が早く顕著な高温であることや、夏の後半に多雨の時期があることなど、概ね傾向を捉えることができていました。

2025年の猛暑の理由

今年の猛暑の主な理由は、地球温暖化で大気全体の“土台の気温”が高い中で、上空のチベット高気圧と下層の太平洋高気圧の張り出しがともに強まり、日本付近で重なって居座ったためです。
これにより、晴れて強い日射が続き、気温が上がりやすい状態が長く続きました。

この夏の熱帯太平洋は、西部が高め・中東部が低めという“ラニーニャに似た”海面水温の分布でした。その影響で東南アジア〜フィリピン周辺の積乱雲活動が早くから活発化し、上空の偏西風が平年より北へ偏る状態が続き、チベット高気圧の日本付近への張り出しを強めました。

同時に、熱帯の積乱雲活動が活発だったことで、下層の太平洋高気圧も日本付近へ強く張り出し、下降気流と強い日射が重なり、早い梅雨明けと記録的な暑さにつながりました。

さらに、日本近海〜北太平洋中緯度の海面水温の高温が続いたことも、偏西風の北偏の維持や中緯度対流圏の高温の持続を通じて、猛暑の長期化に寄与した可能性があります。

*参考:【気象庁】令和7年夏の記録的な高温と7月の少雨の特徴およびその要因等について

この先、2025/26年冬にかけての天候は?

今年も昨年同様、厳しい残暑が続きました。
今後も10月頃まで高温傾向が継続する見通しですが、11月には次第に寒気が南下しやすくなる見込みです。

12月に入るといっきに気温が低下し、真冬並みの寒さが前倒しで到来する可能性があります。
今冬は日本海側では中心に大雪に注意が必要となるでしょう。

急な気温低下による冬商材・エネルギーの需要変動や、大雪による物流への影響も懸念されます。
最新の予報を確認し、対策を行ってください。

*2025年冬の詳しい予報と業種別のビジネス影響は、2025年冬は早く到来し、12月から厳しい寒さと大雪に注意 ビジネスへの影響は?をご覧ください。

ビジネスへの影響とリスク

今夏は早く長い猛暑の到来によって夏商材の早い立ち上がり、在庫不足、電力需要の急騰などの影響があったのではないでしょうか。

また、国内では2025年6月1日から労働安全衛生規則が改正され、職場での熱中症対策が義務化しました。毎年、記録的な猛暑が続く中、製造・物流・農業などの作業環境の整備も必要になっているかと思います。
6月1日から職場での熱中症対策が義務化 必要な対策と暑さ指数(WBGT)の活用

今後も年による変動はあるものの、地球温暖化の影響を受けて、夏の猛暑傾向は継続していくと考えられます。

どのタイミングで暑くなるのかという、季節の切り替わりをいち早く捉えることが、安定した事業計画、運営計画の鍵となります。
長期予報と短期予報を組み合わせて活用し、事業のロスの削減にお役立てください。

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