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2025年の天候振り返り|寒冬と猛暑がビジネスに与えた影響とは

2025.12.22

天気は生活にもビジネスにも大きな影響を与えます。
2025年は冬の厳しい寒さと、夏の記録的な猛暑が特徴的で、「寒冬」×「猛暑」という季節のメリハリが大きい一年となりました。

本記事では、2025年の天候を振り返りとビジネスにどのような影響を整理し、2026年以降の天候リスク対策についても解説します。

*2026年について:2026年の天気は「猛暑・多雨・台風」に注意|日本気象協会が長期予測を解説

目次

2025年はどんな天候の年だったか?【総括】

2025年の天候は、「寒冬と猛暑で季節のメリハリの大きな年」となりました。

  • 冬:全国的に厳しい寒さ
  • 春:寒暖差が大きく、多雨傾向
  • 夏:梅雨が短く、長期間にわたって記録的な猛暑
  • 秋:前半は残暑、後半は急な冷え込み

このように、季節の切り替わりが急で極端だったことで、ビジネスにおいては先の見通しが立てづらい年となったかもしれません。

季節別に振り返る2025年の天候

2025年の冬:冬型の気圧配置が持続しやすく、全国的に寒冬傾向

2024/25年冬は、繰り返し強い寒気が南下し、全国的に厳しい寒さとなりました。
暖冬だった前シーズン(2023/24年冬)と比べると、カイロ、鍋関連食材、入浴剤やスキンケア商品、防寒衣料など、冬物商材の需要が回復しました。

2025年の春:寒暖の変動が大きく、多雨傾向

春の気温は寒暖の変動が大きく、顕著な高温だった前シーズンと比べると、夏商材の立ち上がりは遅めでした。
花粉の本格飛散は前年(2024年)より遅れたものの、西日本で前年より飛散量が多く、アレルギー対策商材は堅調でした。

2025年の夏:短い梅雨と記録的猛暑、長期にわたって顕著な高温が続く

2025年の梅雨は短く少雨となり、6月中から猛烈な暑さが到来しました。
日本付近でチベット高気圧と太平洋高気圧の張り出しがともに強まった影響で、顕著な猛暑となりました。
冷感商品、空調関連の需要が大幅に増した一方、暑さによる外出控えや屋外スポーツの中止などが影響し、スポーツ飲料などの需要が前年ほど伸びなかったことも特徴的でした。

2025年の秋:厳しい残暑から一転、後半は秋が深まる

秋の前半は顕著な残暑が続いたものの、後半は寒気が南下し、晩秋らしい冷え込みとなりました。
冬商材の立ち上がりは前年(2024年)同様に遅かったものの、秋後半からの冷え込みにより、カイロや鍋関連食材、防寒衣料などの需要は、前年よりも伸びました。

2025年の天候の理由|なぜ2025年は「寒冬」と「猛暑」になった?

2025年は熱帯太平洋においてラニーニャ現象自体は発生しなかったものの、ラニーニャ現象発生時に近い海面水温分布が続いたことで、冬の厳しい寒さと、夏の記録的な猛暑となりました。

「ラニーニャ現象」とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象を指します。

ラニーニャ現象が発生すると、日本では猛暑・寒冬になりやすい傾向があります。
【tenki.jp】ラニーニャ現象とは

2026年に向けてできる天候リスク対策

2025年は、日本気象協会が2024年末に予想した通り、冬は寒冬、夏は猛暑のメリハリ型となりました。

*参照:2025年の天気傾向 冬は寒冬で春の訪れが早く、夏は猛暑のメリハリ型か(2024年12月20日発表)

しかし、長期の傾向を知るだけでは、ビジネスにおける効率化・省力化・ロス削減には不十分です。
予報している時期が近くなると、どのタイミングで急に気温が変化するのか、雨が降るのか、台風が来るのか、雪が降るのかといったことを、より正確に予測することができるようになります。

長期予報で年間の大まかな傾向を知り、調達・生産・マーケティングなどの計画を立て、短期予報で微調整を行うことで、気象予測を活かした効率化・ロス削減が可能になります。

前年実績をベースに生産計画を立てるよりも、気象予測に基づいた計画を立てることで、気象要因にともなう廃棄ロスや機会ロスを3割から4割減らすことが可能となります。

長期予報と短期予報を活用してビジネスロスを減らす

日本気象協会では、数時間先の直近予報から、最長2年先の見通しまで、さまざまな気象データを提供し、専門知見からのコンサルティングを行っています。

過去の気象データから、商品やサービスと気象の関係を分析することもできます。
お気軽にお問い合わせください。

日本気象協会の気象データ提供サービス

気象データ配信

「今日・明日の天気予報」から、「最長2年先までの長期にわたる気象予測情報」まで、お客様のニーズに合わせて提供しています。気象要素やファイル形式、提供方法のカスタマイズも可能です。お気軽にこちらください。

Weather Data API

「Weather Data API」は、1kmメッシュで任意の地点の気象データ(過去の実況値および気象予測)を、最大8週間先まで取得できる天気API(Web API/JSON形式)です。天気、気温、降水確率などの気象要素に加え、日本気象協会独自の「体感指数」「積雪情報」「30日先予測」「暑さ指数(WBGT)」「気圧」もAPIで提供しています。Weather Data API お問い合わせからお申込みください。

ビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」

「biz tenki(ビズテンキ)」は、ビジネスパーソンや法人を対象としたビジネス向け天気予報アプリです。月額650円で、1kmメッシュの高精度な気象予測(天気・気温・体感・日射など)を30日先まで確認でき、大雨・降雪確率といった気象災害リスクを知ることもできます。

「biz tenki」の購入はアプリストアから(月額650円、1か月無料トライアル実施中)。

2年先長期気象予測

日本気象協会では、業界で初めて、従来よりも精度が高く、予測期間の長い予測手法を開発しました。月ごとの気温、降水量・降雪量、日照時間の数値予測、梅雨や台風情報の提供を行っています。次の2026年シーズンの情報も提供しています。お問い合わせはContact Usから。

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プロフェッショナル紹介

小越 久美(おこし くみ) 一般財団法人 日本気象協会 防災・気象DX本部

小越 久美(おこし くみ)

一般財団法人 日本気象協会 防災・気象DX本部 気象DX事業部 シニアデータアナリスト
気象予報士・データ解析士・健康気象アドバイザー・防災士

筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学)卒。
2004年から2013年まで、日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。

現在は日本気象協会の商品需要予測事業にて、食品、日用品、アパレル業界などのマーケティング向け解析や商品の需要予測を行い、さまざまな企業の課題を解決するコンサルティングを行っている。

著書に「かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~」「天気が悪いとカラダもココロも絶不調 低気圧女子の処方せん」がある。