News
日本気象協会の天気予報精度検証結果(2024年4月~6月)
2024.08.15
日本気象協会は、2023年に独自気象予測「JWA統合気象予測」を開発し、日本気象協会が提供している各種気象サービスに対して高精度・高頻度・高解像度の気象予測を提供しています。
*【日本気象協会】JWA統合気象予測
今回、2024年4月~6月における「当日の降水の有無の適中率」と「翌日における1時間ごとの天気の適中率」の評価を行いました。
期間中の「JWA統合気象予測」の「当日の降水の有無の適中率」と「翌日における1時間ごとの天気の適中率」は、いずれも気象庁より適中率が高い結果となりました。
天気予報にはさまざまな要素があり、「天気予報の精度」にも多数の指標があります。
今回は、「今日、雨が降るか、降らないか」「明日は、いつ、どんな天気になるのか」を正確に予測できたかを「適中率」で評価しました。
日本気象協会では、皆さまにとって必要な情報とは何かを日々考え、天気予報の予報精度向上に努めています。
「当日の降水の有無の適中率」の検証結果(2024年1月~6月)
2024年4月~6月にかけての毎朝5時に発表した全国の天気予報において、「雨が降ると予報した日に、実際に雨が降ったか」という点に着目した、当日の降水の有無の適中率について検証を行いました。
検証の結果、「JWA統合気象予測」の適中率は、90~92%となり、同じ評価結果を公開している気象庁の精度を、いずれの月も上回りました。
(結果は前回検証を行った2024年1月~3月の結果と合わせて掲載しています)
「当日の降水の有無の適中率」は当日の朝(5時)に発表された予報をもとに、その日(5~24時)に合計1mm以上の降水があるかどうかを評価します。
このため、ある地点で雨が降る時間帯が予報と実況で異なっていたとしても、当日のどこかの時間帯で雨が降れば(もしくは雨が降らなければ)、天気予報が当たった(適中)として評価されます。
*「当日の降水の有無の適中率」の算出方法
*2023年の「当日の降水の有無の適中率」
日本気象協会では、ある地点で“当日どこかの時間帯に雨が降る”という予報だけでなく、“その日の14時に雨が降る”と予想したら、実際にその時間帯から雨が降り出すといった1時間ごとの天気予報も適中させることが必要であると考えています。
そのため「当日の降水の有無の適中率」だけでなく、「翌日における1時間ごとの天気の適中率」についても検証を行っています。
翌日における1時間ごとの天気の適中率の検証結果(2024年1月~6月)
夕方に発表した141地点(全国を網羅する代表都市)の翌日の1時間ごとの天気予報を調査対象とし、1時間ごとの天気(晴れ・曇り・雨・みぞれ(雨または雪)・雪)の予報が、実際の天気を当てることができていたか確認しました。
2024年4月~6月の予報を検証した結果、「JWA統合気象予測」の適中率は4月が72%、5月が74%、6月が70%と、いずれの月においても気象庁の適中率を上回りました。
(結果は前回検証を行った2024年1月~3月の結果と合わせて掲載しています)
4月~6月の3か月間でみると、「JWA統合気象予測」の適中率は気象庁を平均で9ポイント上回る結果となりました。
翌日における1時間ごとの天気の適中率の算出方法
「翌日における1時間ごとの天気の適中率」は、予報として日本気象協会の「JWA統合気象予測」と気象庁の「天気分布予報」の翌日の天気予報を用い、実際の天気として気象庁の推計気象分布の「天気マーク」を用いて、1時間ごとに比較し、予報の適中・不適中を判定しています。
*詳しい「翌日における1時間ごとの天気の適中率」の算出方法
2024年6月29日17時に発表した翌日(6月30日)の予報の場合、日本気象協会の予報では0時~14時までを曇り、14時~22時までを雨、22時以降を曇りと予想していました。
実際の天気は、0時~2時までが晴れ、2時~13時までが曇り、13時~22時までが雨、22時以降が曇りとなり、0~2時の晴れ、13時~14時の雨以外の1時間ごとの天気を正確に予報していました。
この日の東京の日本気象協会の1時間ごとの天気の適中率は88%となります。
同日の気象庁の予報では午後の雨が予報されておらず、この日の気象庁の適中率は42%となります。
日本気象協会では、天気予報は1時間ごとの天気を適中させることが必要であると考えています。
それは、前日の夕方に精度の高い天気予報を提供することが、皆さまの翌日の計画的な活動に役立つのではないかと考えているためです。
上記の6月30日の予報(前日6月29日17時発表)であれば、適中させることができなかった3時間分の天気も正確に「晴れ」や「雨」を予報したいと考えており、日々、精度向上に努めています。
日本気象協会の予報が当たる理由
日本気象協会の「JWA統合気象予測」は、蓄積した気象学的な知見やAIを活用して「補正処理」と「統合化処理」を行うことで今回のような細かな天気の変化の予測を実現しています。
「JWA統合気象予測」には、日本気象協会独自の予測モデルであるSYNFOS※や、国内外複数の気象機関の予測モデルを利用しています。
各予測モデルはそれぞれ得意な予測範囲が異なるなどの「予測の癖」が存在するため、過去のデータや気象学的な知見を用いて「予測の癖」を直し、精度の良い予測になるよう「補正処理」を行います。
続いて、「補正処理」を行った各モデルの「予測精度」に応じた「統合化処理」を行い、精度の高い予測を算出します。
「予測の癖」や「予測精度」は季節や地域によって日々変化するため、「補正処理」と「統合化処理」を、日々自動的にアップデートするシステムを構築し、「JWA統合気象予測」に導入することで、より高精度な日々の天気予報の作成を目指しています。
今後も、日本気象協会は、皆さまにとって必要な情報の精度向上に努めてまいります。
※SYNFOS(しんふぉす):2005年から提供している日本気象協会独自の数値予報モデル。
1988年に日本気象協会が開発した国内民間気象会社初の独自数値予報モデル「ANEMOS(あねもす)」の次世代モデル。
日本気象協会の天気予報サービス
気象は原材料の生産、商品の製造、物流から商品売上、来店・来場・宿泊客数など、ビジネスのあらゆる面に影響を与えます。
ビジネスにおけるさまざまな精度の向上に、日本気象協会の気象データをご活用ください。
- ビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」
ビジネスパーソンや法人を対象としたビジネス向け天気予報アプリです。
1kmメッシュで30日先までの天気・気温・風・日射といった気象要素を確認できるだけでなく、気象データをビジネスに活用するヒントコメントや前年値との比較など、ビジネスに特化した情報を提供します。
現在、期間限定でβ版を法人向けに無償で提供しています。β版の利用を希望される事業者の方はこちらからお問い合わせください。 - Weather Data API
1kmメッシュで任意地点の気象データ(過去実況値、気象予測)を最大8週先まで取得できる天気予報API(Web API/JSON形式)です。 - 2年先長期気象予測
日本気象協会では、業界で初めて、従来よりも精度が高く、予測期間の長い予測手法を開発しました。
翌年度の年間計画策定や資材発注、製造・販売・CM計画、新商品の開発といった重要なビジネスシーンにおいて、根拠ある意思決定を支援します。 - 気象予測配信サービス
過去の実況値から、直近の天気予報、3か月以上先の天気や気温の傾向まで、ニーズに合わせて情報を提供します。
その他、小売事業者様向けに当日から12週先までのカテゴリ別売れ筋商品をお知らせする売りドキ!予報や、カテゴリ別に最大6ヶ月先までの定量的な売上予測を出すお天気マーケット予報、気象データを活用して廃棄ロスや機会ロスを削減する各種需要予測コンサルティングも行っています。
お気軽にお問い合わせください。