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【2026年夏予報】40℃以上の「酷暑日」は何地点?企業が押さえるべき判断ポイント(酷暑レポート Vol.1)
2026.04.03
日本気象協会の独自解析によると、2026年の夏は、40℃以上の「酷暑日※」が全国で延べ7~14地点と予想されています。これは直近10年平均(約8地点)と同程度かやや多い水準です。
2026年は、2025年(過去最多の30地点)ほど、長期間に渡って極端な暑さが続く見込みではないものの、梅雨明け後に高温が集中する可能性があり、企業活動への影響は引き続き大きいと考えられます。
企業活動で重要となるのは、「酷暑日が発生するか」ではなく、「いつ・どこで・どの程度集中するか」という点になります。
本記事では、2026年の暑さの見通しとともに、企業が押さえるべき判断ポイントを解説します。
※「酷暑日」は、日最高気温40℃以上の日に対して、2022年8月に日本気象協会が独自に定めた名称です。
目次
2026年の酷暑日予想のポイント
- 2026年の酷暑日(最高気温40℃以上)の延べ地点数(予想):全国7~14地点
- 直近10年平均の酷暑日の延べ地点数(年間):約8地点
- 2025年の酷暑日地点数:30地点(過去最多)
日本気象協会独自の予測モデルによる解析では、2026年の「酷暑日」は全国で延べ7~14地点となる見込みです。これは、直近10年間平均と同じくらいか、やや多い見込みとなっています。
過去最多となった昨年(2025年)ほどの多さではないものの、近年の記録的な高温に次ぐレベルの暑さになる可能性があります。
特に、2026年の梅雨明け後は、東日本・西日本で酷暑日に警戒が必要です。
日本気象協会が独自に定めた「酷暑日」とは
日本気象協会では、極端な暑さへの注意喚起と、熱中症予防の普及啓発を一層強化するため、日最高気温40℃以上の日を「酷暑日(こくしょび)」と命名し、日々の気象情報やニュースなどで積極的に使用しています。
「酷暑日」と「超熱帯夜」の名称は、2022年8月に日本気象協会に所属する気象予報士130名を対象に実施したアンケート結果に基づいて決定したものです。これらはいずれも日本気象協会が独自に定めた名称であり、気象庁が公式に定義している用語ではありません。
*参考:日本気象協会 暑さに関する名称について気象予報士130名にアンケート調査を実施 最高気温40℃以上は「酷暑日」、夜間の最低気温30℃以上は「超熱帯夜」に
日本の夏、40℃以上はもう珍しくない?
近年、日本では日最高気温が40℃以上となる極端な高温も珍しくなくなりつつあります。
全国的にみると、酷暑日は2018年以降、8年連続で観測されています。
酷暑日の延べ地点数は、直近10年間の平均で年間約8地点となっています。
さらに2025年には、過去最多となる延べ30地点で酷暑日が観測され、群馬県伊勢崎市では国内観測史上最高となる日最高気温41.8℃を記録しました。
以前は数十年に一度のレベルであった40℃級の暑さは、いまや「稀」とは言い難い状況になってきています。
企業にとって重要なのは、ピーク時にどの程度の高温リスクが顕在化するかという視点です。
特に、梅雨明け後に高温が集中しやすいと見込まれることから、対策のタイミングを明確に想定しておくことが求められます。
2026年の夏も40℃以上の「酷暑日」に警戒
日本気象協会が特許技術を用いて開発した「2年先長期気象予測モデル」による解析では、2026年の酷暑日は全国で延べ7~14地点となることが見込まれています。
これは直近10年間の平均と同じくらいか、やや多い予想です。
予想には一定の幅があるものの、条件がそろった場合には、酷暑日の延べ地点数が2025年および2018年に次いで過去3番目の多さとなる可能性も示されています。
なぜ40℃以上の酷暑日が発生するのか
酷暑日はこれまで、関東内陸や東海~近畿内陸に加え、北陸を含むフェーン現象の影響を受けやすい地域など、東日本・西日本を中心とした内陸部や盆地、山あいの地域で多く観測されてきました。
これらの地域では、太平洋高気圧に覆われて強い日射が続くことに加え、上空の高気圧(チベット高気圧)の張り出しや、山を越えた風が乾いた熱風となって吹き下りるフェーン現象などの局地的な昇温要因が重なったときに、気温が40℃以上まで上がりやすくなる特徴があります。
2025年の夏は、地球の大気全体の気温が高くなっていたことを背景に、こうした様々な条件が重なりやすかったことで、酷暑日の延べ地点数が観測史上最多の30地点を記録しました。
2026年の夏も、地球の大気全体の気温が高い状態が続くことに加えて、日本付近では偏西風が平年よりやや北を流れやすいため、太平洋高気圧の本州付近への張り出しがやや強くなると予測されています。
このため、気温は全国的に平年よりも高くなりやすいことが見込まれ、チベット高気圧の張り出しやフェーン現象の発生が重なった場合には、東日本や西日本を中心に酷暑日の発生が多くなる可能性があります。
特に、2026年の梅雨明け後は、東日本や西日本で高温となる可能性があり、酷暑日に対する警戒が必要です。
酷暑のリスクは単純な発生数だけでなく、「どこで・いつ・どの程度の強さで発生するか」という“質”の違いも重要になります。
また、近年は40℃以上の気温が「数十年に一度の例外」ではなく、「条件次第で起こり得る現象」へと変化しています。こうした変化により、酷暑は突発的な異常気象ではなく、事業計画や需給計画において考慮すべき前提条件へと位置づけが変わりつつあります。
*今年の夏の天気予報の詳細と、猛暑が生活や産業に与える影響は、【2026年夏の天気予報】今年は猛暑?気温は平年より高い?をご覧ください。
2025年との違い:2026年夏は何が変わるのか
2025年は、地球の大気全体の気温が高い状態が続いていることに加えて、ラニーニャ現象傾向や太平洋高気圧が強まりやすい状況により、全国的に高温が長期間続きました。
酷暑日が過去最多の延べ30地点で観測されるなど、「広範囲かつ持続的な猛暑」となりました。
2026年夏は昨年同様、梅雨入り・梅雨明けが平年より早めで、暑さの到来も早い見込みです。
地球の大気全体の気温が高い状態が続いていることから、2026年夏の前半は、偏西風の蛇行や太平洋高気圧の張り出しなどの条件が重なった場合、記録的な猛暑となった2023~2025年に匹敵する顕著な猛暑となる可能性があります。
一方で、夏の後半は海面水温分布がエルニーニョ現象側へ移行する可能性があり、太平洋高気圧の勢力が一時的に弱まることで、台風の影響を受けやすいことも想定されます。
そのため、2026年夏の40℃以上の酷暑日は、2025年の30地点よりも少ない、全国延べ7~14地点予想となっています。
しかし、これは過去10年の平均的な水準より多く、酷暑日には注意が必要です。特に、梅雨明け後は東日本・西日本で気温が上がりやすく、条件が揃った場合には局地的に40℃級の高温が発生する見込みです。
この違いにより、2025年は夏物商材が「長く売れる」一方、暑さが続くことで「購買行動に変化がある」年だったのに対し、2026年は「暑さのピークを逃さずにつかむ必要がある」年といえます。
2026年は、暑さの「頻度」ではなく、「いつ・どこでピークが発生するか」が重要です。
企業活動においては、短期的な気温変動も踏まえた対応が求められます。
企業が押さえるべき「2026年夏の判断ポイント」
この夏の企業活動において、重要となるのは以下4点です。
- 梅雨明け後の急激な夏物需要立ち上がり
- 高温が短期間に集中する可能性
- 冷感商品・飲料などの夏物需要が一気に増加
- 暑さが続くことと外出を控える、屋内で過ごす等の変化の可能性あり
- 40℃以上の酷暑日は「例外」ではなく「前提」
- 酷暑日が頻発するわけではないが、発生は想定すべき
- 労働環境の暑熱対策が必須
- 地域差の影響が大きい
- 酷暑日のような極端な高温が発生しやすいのは内陸・フェーン地域
- エリア別の需給調整が重要
- 長期×短期予測の併用が前提
- 長期予測:季節ごとの傾向把握、事業計画の策定
- 短期予測:立ち上がり・ピーク・終売対応、在庫調整
最高気温40℃以上の酷暑日が発生し得る状況となってきた今、企業にとって40℃以上の酷暑日は「異常気象」ではなく「事前に対策すべきリスク」となっています。
気象予測をビジネスに活かすには
2026年のように、暑さが特定のタイミングに集中すると想定される年は、
- 長期予測だけではピークを捉えきれない
- 短期予測だけでは事前準備が間に合わない
という課題が生じます。
そのため、長期・短期の気象データを組み合わせた判断が重要になります。
- 長期予測:季節傾向の把握、事業計画の策定
- 短期予測:直前の出荷・在庫調整、販促活動の最適化
長期予報は大まかな季節や傾向を知ることに役立ち、短期予報は精度が高く多くの要素の予報が可能です。
予報する期間が近づくほど、予報精度は向上するため、長期予報と短期予報を組み合わせてビジネスに活用することで、機会ロスや廃棄ロスを減らすことができます。
日本気象協会の気象データ活用サービス
日本気象協会では、気象データの提供だけでなく、「気象データをどう使うか」も含めて、企業活動を支援することができます。
2年先長期気象予測(長期予測)
日本気象協会では、気象業界で初となる「最長2年先までの気象予測」である『2年先長期気象予測』を提供しています。
この予測は、日本気象協会が特許技術を用いて独自に開発した予測モデルを用いたものであり、最長2年先までの毎月の気象傾向を解析するものです。
2年先長期気象予測は、企業の生産計画・在庫計画・マーケティング計画の作成をはじめ、特定商材に対する需要予測に落とし込んだコンサルティングなど、さまざまなビジネス分野で活用されています。
「2年先長期気象予測」でわかること
- 月ごとの気温、降水量・降雪量、日照時間の数値予測
- エリア別の梅雨入り時期・梅雨明け時期
- 月別の台風発生数・接近数
※契約サービスによって提供内容は異なります。詳しくはお問い合わせください。
2年先長期気象予測では、2026年後半から2027年にかけての気象傾向についても分析が可能です。
将来を見据えた事業戦略やリスク管理などへのビジネス活用もご提案いたします。
気象データ提供(短期予測~長期予測まで)
高精度な気象データをニーズに合わせて提供可能です。
- 気象データ配信:過去データから予測まで、気象要素・エリア・ファイル形式・提供方法もニーズにお応え
- Weather Data API:1kmメッシュで任意の地点の気象データ(過去の実況値および気象予測)を最大8週間先まで取得できる天気API(Web API/JSON形式)、「体感指数」や「暑さ指数」も提供可能
需要予測コンサルティング
気象データと自社の商品データを組み合わせて分析し、気象条件と販売実績の相関を可視化します。これにより、どの気象環境でどの商品に需要が出るかを把握し、販売計画や在庫計画に活かすことができます。
気象データ活用を手軽に始めるビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」
「biz tenki(ビズテンキ)」は、ビジネスパーソンや法人を対象としたビジネス向け天気予報アプリです。
月額650円で、1kmメッシュの高精度な気象予測(天気・気温・体感・日射など)を30日先まで確認でき、大雨・暴風確率といった気象災害リスクを知ることができます。「biz tenki」の購入はアプリストアから(月額650円、1か月無料トライアル実施中)。
データ活用方法や2026年夏や秋冬の詳しい予報など、気になる点ございましたらお問い合わせください。
*2026年春夏の気象傾向と、企業活動への影響は?
2026年春は寒暖差大、夏は猛暑の可能性 夏商材は4月中に立ち上がりか
*今年の夏の小売・製造業への影響は?
【2026年夏の天気予報(企業向け)】猛暑予想は売上・在庫・生産にどう影響?小売・製造業の判断分岐点を解説
*2026年の天気は?
2026年の天気は「猛暑・多雨・台風」に注意|日本気象協会が長期予測を解説
FAQ|よくある質問
Q.2026年の夏は猛暑になりますか?
A.記録的な猛暑となった2023~2025年に匹敵する厳しい暑さとなる可能性があります。
今年の夏は太平洋高気圧が本州付近に張り出しやすく、前年と同様に梅雨入り・梅雨明けが平年より早めで、暑さの到来も早いでしょう。地球の大気全体の気温が高い状態が続いていることから、偏西風の蛇行や太平洋高気圧の張り出しなどの条件が重なった場合、近年に匹敵する顕著な猛暑となる可能性があります。
Q.40℃以上はどれくらい発生しますか?
A.日本気象協会では最高気温40℃以上の酷暑日は、全国で延べ7~14地点と予想しています。(直近10年平均:約8地点)
Q.2025年との違いは何ですか?
A.2025年は広範囲で高温が持続し、酷暑日は過去最高の30地点で観測されました。2026年は2025年よりも少ない予想ですが、過去10年の平均的な水準(約8地点)かそれより多く、全国で延べ7~14地点予想となっています。高温ピークの集中などに注意が必要です。
Q.いつから暑さ対策をすべきですか?
A.梅雨明け前から準備し、梅雨明け直後の高温が集中する期間に備えることが重要です。
プロフェッショナル紹介
小越 久美(おこし くみ)
一般財団法人 日本気象協会 防災・気象DX本部 気象DX事業部 シニアデータアナリスト
気象予報士・データ解析士・健康気象アドバイザー・防災士
筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学)卒。
2004年から2013年まで、日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。
現在は日本気象協会の商品需要予測事業にて、食品、日用品、アパレル業界などのマーケティング向け解析や商品の需要予測を行い、さまざまな企業の課題を解決するコンサルティングを行っている。
著書に「かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~」「天気が悪いとカラダもココロも絶不調 低気圧女子の処方せん」がある。
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