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2024年夏の暑さの理由と今後の残暑いつまで?秋冬商材と気温の関係も

2024.08.20

昨年同様、2024年も各地で連日、最高気温35℃以上の猛暑日が続いています。
6月以降、猛暑日を観測した地点の累積地点数は、記録的な高温となった昨年2023年や2018年をすでに上回っています。

今回は、今夏の暑さと多発する急な雷雨の理由、今後の残暑の予想と秋への切り替わりの時期、秋冬商材と気温の関係を見ていきます。

今年は残暑が長い見込みとなっており、夏商材の需要は秋の初めまで高く、冬商材の立ち上がりは遅れるでしょう。季節の変わり目は重要なビジネスチャンスになります。
季節の変わり目を知ることができる気象データやサービスについても紹介します。

*今年の台風の発生数や接近数については2024年8月以降は平年よりも台風の接近数が多い傾向、気象災害リスク情報や「biz tenki」で対策ををご覧ください。

2024年の夏の暑さの理由と残暑の予想

今夏は春まで続いたエルニーニョ現象の名残の影響で、各地で梅雨入りが遅れ、短い梅雨期間でも降水量が多くなりました。

梅雨期間も含め今夏も気温が高く、梅雨明け以降は各地で猛暑となっています。

7月の日本の月平均気温は観測史上最も高くなりました。
8月も暑さは続き、福岡県太宰府市では7/19~8/27の40日間連続で猛暑日(最高気温35℃以上)が続き、連続猛暑日日数の国内最長記録を更新しました。

今年の夏の暑さは、地球温暖化や春まで続いたエルニーニョ現象の影響で地球の大気全体の気温がかなり高くなっていることに加え、太平洋高気圧の勢力の強まりや偏西風の蛇行で上空に暖かい空気が流れ込んでいるといった条件が重なったことによるものと考えられます。

ただし、今年は安定した夏空が続かず、不安定で急な雨や雷雨が多くなっています。

このような急な雷雨の一因として、夏の暑さをもたらす太平洋高気圧の勢力が、南の海上を中心に強いことが挙げられます。

日本の南の海上で太平洋高気圧が平年より張り出していることで、気温が上昇しやすいとともに、太平洋高気圧のへりを沿うようにして湿った空気が日本列島に流れ込みやすく、雨や雷雨が頻発する原因となっています。

この先は、ラニーニャ現象の発生によって、厳しい残暑が予想されます。

暑さ寒さも彼岸までといいますが、9月中もまだまだ30度を超える真夏日を記録するところが多く、秋の到来は平年よりひと月ほど遅れるでしょう。

*秋以降のより長い予報については2024年秋以降の天候は?「2年先長期気象予測」と気象データ活用をご覧ください。

涼しさを感じ始めると売れる秋冬の食材と気温の関係

目安となる最低気温を境に、売り上げが伸びる商品も移り変わっていきます。
気温と商品の売り上げには夏(*)も冬も深い関係があります。
夏物商材と気温の関係

【日本気象協会】冬食材の売上と気温の関係

※株式会社インテージSRIデータ(2012~2018年)より日本気象協会にて作成

最低気温25℃以下(例年8月下旬~)

お盆を過ぎて最低気温が25℃を下回り、暑さが峠を越え始めるといち早く売り上げが伸び始めるのが、朝食メニューに並ぶ食材やチョコレート、スナック菓子などです。

夏の終わり、まだまだ朝晩半袖で過ごせる時期でも、猛暑を体感したあとは少しでも気温が下がれば、秋の到来を感じるものです。

気温が高い夏の間は食欲が低下するため、パン類や納豆など朝食メニューの売り上げが減少しますが、暑さが峠を越えると売り上げが復活します。
スープ類や調理済みのおでん、みそ汁・吸物類も、真夏を過ぎたあとの気温低下にいち早く反応する商品です。

最低気温20℃以下(例年9月中旬~)

最低気温が20℃を下回ると、朝晩は長袖が必要になってくる涼しさですが、それに伴って売り上げが伸びるのが、温かいメニューとして食べられる食材です。

シチューや中華まんなどの売り上げが伸びるほか、ちくわ、はんぺん、わかめ・こんぶ類などの売り上げが伸び、家庭でおでんを作る人が増えることが伺えます。
煮込み料理をする人が増えることから、味噌の売り上げが伸び始めます。

また、紅茶やフレッシュクリームが伸びることから、コールド飲料よりもホット飲料を選ぶ人が増える傾向もあるようです。

最低気温15℃以下(例年10月中旬~)

最低気温が15℃を下回ると、いよいよ本格的に寒さを感じ始めます。

コートの着用も考え始める時期になりますが、それに伴って売り上げが伸びるのが鍋具材です。
春雨・くず切り・豆腐類や、ポン酢などの売り上げが伸び、食卓で鍋を囲む家庭が増えるようです。

食欲の秋も佳境となり、揚げ物などのカロリーの高いものがよく売れるのもこの時期です。

最低気温12℃以下(例年11月上旬~)

最低気温が12℃を下回ってくると、ダウンを着始めるような冷え込みとなります。

前述の鍋具材の売上がピークになるほか、食材ではありませんが、使い捨てカイロ、入浴剤、ハンド&スキンケアなどの売り上げが伸びます。

いよいよ本格的な寒さと乾燥の季節が到来し、体調管理への意識が一段と高まることが伺えます。

2024年の秋冬商材の立ち上がりは

今年は、ラニーニャ現象の発生にともない、秋の前半まで厳しい残暑が予想されることから、秋冬食材の立ち上がりも例年より大幅に遅れるでしょう。

パン類や納豆などの朝食メニューの売上が伸びる最低気温25度以下は、例年、関東から西の地域で8月下旬ごろですが、今年はひと月ほど遅れて、9月下旬頃になるところも多い見通しです。

中華まんやシチューなどの売上が伸びる最低気温20度以下は、例年9月中旬頃のところが多いですが、今年は10月半ば頃になるところが多いでしょう。

ただし、夏が猛暑となりやすい一方で、冬が寒くなりやすいのもラニーニャ現象の特徴です。

地球の大気全体の気温が高い状態が続いていることから、気温は平年より高めで推移する可能性が高いものの、秋の後半からは急に冷え込んでくる可能性があります。

猛暑が続いたあとの低温で、体感的には急に秋が深まったように感じ、冬食材の売上もいっきに伸びるかもしれません。

季節の変わり目を知る気象サービス

気象予測を活用することで、消費行動が大きく変わるような寒くなるタイミング、暖かくなるタイミングを把握することが可能です。

ニーズに合わせて商品を準備し、プロモーションを行うことで、季節の変わり目をビジネスチャンスに変えましょう。
季節の変わり目を知ることができる気象データやサービスは以下をご覧ください。

  • ビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」(→お問い合わせ
    前年の気象データとの比較や気象データをビジネス活用するためのヒントコメント、1kmメッシュで30日先までの天気予報など、ビジネスに役立つ天気予報アプリです。
    現在法人のみ、期間限定でβ版アプリを無償提供中。ご希望の方はお問い合わせください。
  • 体感指数API(→お問い合わせ
    同じ最高気温25℃でも、8月の25℃は涼しく感じますが、11月の25℃は暑く感じられるでしょう。この人の感じ方の違いを含む気象データが「体感指数データ」です。
    「体感指数データ」は、SNSの「暑い」「寒い」といったつぶやきと気象データを分析することで人の体感を数値化した、より消費者の行動に関連の高いデータです。
    活用方法などの詳細はこちらをご覧ください。
    「体感指数データ」はビジネス向け天気予報アプリ「biz tenki」内で確認できるほか、売りドキ!予報内でも表示しており、APIでの提供も行っています。
  • 売りドキ!予報(→お問い合わせ
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    今後の需要、去年と異なる季節商材の立ち上がり・終売を確認できるため、発注・インストア加工・インストアPR・広告計画・棚割り、エンド調整、季節商材の仕入れ、長期販売計画に活用いただけます。

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